学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 外科学概論 ▸ §19 腹部外傷(救急法) / QJ30P055
理由で解く 柔道整復師
腹腔内のフリーエアー(遊離ガス)は、空気を含む管腔臓器が破れたサインである。実質臓器である肝臓の損傷では原則としてみられない。
腹部臓器は、中身が詰まった実質臓器(肝・脾・腎・膵)と、空気や内容物を通す管腔臓器(胃・十二指腸・小腸・大腸)に分けて考えるとよい。実質臓器が損傷すると血管が豊富なため出血し、腹腔内に血液がたまる。これはFAST(迅速簡易超音波検査)でモリソン窩・脾周囲・ダグラス窩の液体貯留として捉えられ、造影CTで血管外漏出(extravasation)を確認する。一方、管腔臓器が穿孔すると内腔の空気が腹腔へ漏れるので、立位胸部X線で横隔膜下の遊離ガス、CTで腹腔内free airとして描出される。つまり「液体貯留を見たら実質臓器の出血、フリーエアーを見たら管腔臓器の穿孔」と対応づけて読むのが基本である。
| 実質臓器損傷(肝・脾・腎・膵) | 管腔臓器損傷(胃・腸) | |
|---|---|---|
| 主病態 | 出血 | 穿孔による内容物の漏出 |
| 画像所見 | 腹腔内液体貯留(FAST陽性)、造影CTで血管外漏出 | 腹腔内フリーエアー(横隔膜下の遊離ガス) |
| 臨床像 | 出血性ショック(頻脈・低血圧・冷汗) | 汎発性腹膜炎(板状硬、反跳痛) |
| 治療 | 循環が安定ならTAEなど非手術的治療も可 | 原則として緊急開腹手術 |
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