学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §10 移植 / QJ30P052

理由で解く 柔道整復師

QJ30P052 外科学概論

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問52
問題
組織適合性抗原がすべて同じである2個体間での移植はどれか。
選択肢
1 自家移植
2 同系移植
3 同種移植
4 異種移植
解答
正解2(同系移植)
解説

組織適合性抗原(ヒトではHLA)が完全に一致する別個体どうしの移植を同系移植という。代表例は一卵性双生児の間の移植である。

移植は、提供者(ドナー)と受容者(レシピエント)の遺伝的な関係によって4つに分類される。自家移植は同一個体の中で組織を移す方法(植皮、自家骨移植など)、同系移植は遺伝的に同一な別個体の間(一卵性双生児、実験では近交系動物)、同種移植は同じ種の他個体の間、異種移植は種の異なる個体の間である。拒絶反応は、移植片の細胞がもつ主要組織適合抗原(HLA)を受容者のT細胞が「非自己」と認識することで始まる。したがって自家移植と同系移植では原則として拒絶が起こらず、免疫抑制薬も不要である。設問は「2個体間」と指定しているので、同一個体内で完結する自家移植は除外され、同系移植が答えとなる。

✓ 2. これが答え
同系移植
遺伝的に同一な2個体(一卵性双生児、近交系動物)の間の移植で、組織適合性抗原がすべて一致する。非自己と認識されないため拒絶反応は原則起こらず、免疫抑制薬も不要である。
✗ 1. 当てはまらない
自家移植
同一個体の中で組織を移動させる移植(植皮、自家骨移植、自家血管グラフトなど)。抗原は当然すべて同じで拒絶も起こらないが、「2個体間」という設問の条件を満たさない。
✗ 3. 当てはまらない
同種移植
同じ種の別個体間の移植で、臨床で行われる臓器移植の大半がこれにあたる。HLAは通常一致しないため拒絶反応が起こり、免疫抑制薬が必要になる。
✗ 4. 当てはまらない
異種移植
異なる種の間の移植(ブタからヒトなど)。抗原の隔たりが大きく超急性拒絶を起こしやすいため、臨床応用は限られる。
ポイント
  • 移植の4分類:自家(同一個体内)→同系(遺伝的に同一な別個体)→同種(同じ種の他個体)→異種(別の種)。
  • 拒絶反応の起点は、移植片のHLAを受容者のT細胞が「非自己」と認識すること。
  • 自家移植・同系移植は原則拒絶なし=免疫抑制薬が不要。
  • 同種移植は拒絶が起こるためHLA適合と免疫抑制薬が必要。臨床の臓器移植の大半がこれ。
  • 設問に「2個体間」とあれば自家移植は自動的に外れる、という読み方が解答の決め手。
比較表
分類ドナーとレシピエントの関係組織適合性抗原拒絶反応
自家移植同一個体内完全一致起こらない植皮、自家骨移植
同系移植遺伝的に同一な別個体完全一致原則起こらない一卵性双生児間、近交系動物間
同種移植同じ種の他個体通常一致しない起こる(免疫抑制が必要)臨床の腎・肝・心移植
異種移植異なる種大きく異なる超急性拒絶を起こしやすいブタ→ヒト
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