学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §16 主要な疾患 内分泌・代謝疾患 / QJ30P037

理由で解く 柔道整復師

QJ30P037 一般臨床医学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問37
問題
皮膚・粘膜の色素沈着が認められるのはどれか。
選択肢
1 橋本病
2 アジソン(Addison)病
3 バセドウ (Basedow)病
4 クッシング (Cushing)症候群
解答
正解2(アジソン(Addison)病)
解説

アジソン病では、副腎皮質ホルモンの不足を補おうとACTHが過剰に分泌され、その作用で皮膚・粘膜にメラニンが沈着します。

アジソン病は副腎そのものが壊れて起こる原発性副腎皮質機能低下症です。コルチゾールが低下すると視床下部・下垂体へのネガティブフィードバックが外れ、下垂体からACTHが大量に分泌されます。ACTHは前駆体であるプロオピオメラノコルチンに由来し、メラニン細胞刺激ホルモンと似た構造をもつため、メラニン産生を促進します。その結果、日光露出部、手掌の皮線、肘や膝などの摩擦部、瘢痕、乳輪に加えて、歯肉や頬粘膜といった日光の当たらない粘膜まで褐色になるのが特徴です。ほかに全身倦怠感、食欲低下、体重減少、低血圧、低ナトリウム血症・高カリウム血症、低血糖がみられます。感染や外傷が引き金となって副腎クリーゼに陥ると生命に関わるため、既往のある患者では体調変化に注意します。

✓ 2. 正しい
アジソン(Addison)病
コルチゾール低下によりACTHが過剰分泌され、メラニン産生が促進されて皮膚と粘膜に色素沈着をきたします。歯肉や口腔粘膜にも及ぶのが診断上の手がかりです。
✗ 1. 誤り
橋本病
慢性甲状腺炎による甲状腺機能低下症で、皮膚は乾燥して粗造となり、押しても跡の残らない粘液水腫性の浮腫がみられます。色素沈着は特徴ではありません。
✗ 3. 誤り
バセドウ (Basedow)病
甲状腺機能亢進症で、皮膚は温かく湿潤し発汗が増えます。眼球突出、頻脈、体重減少が特徴で、色素沈着を代表所見とする疾患ではありません。
✗ 4. 誤り
クッシング (Cushing)症候群
コルチゾール過剰による疾患で、満月様顔貌、中心性肥満、赤紫色の皮膚線条、皮膚の菲薄化と易出血性が典型です。皮膚・粘膜の色素沈着は代表的所見に含まれません。
ポイント
  • アジソン病=原発性副腎皮質機能低下症。コルチゾール低下→ACTH上昇→メラニン産生亢進→色素沈着。
  • 色素沈着は露出部だけでなく歯肉・口腔粘膜、手掌の皮線、瘢痕にも及ぶ。
  • 随伴所見:全身倦怠感、体重減少、低血圧、低ナトリウム血症、高カリウム血症、低血糖。
  • クッシング症候群はコルチゾール過剰で、満月様顔貌・中心性肥満・赤紫色皮膚線条。アジソン病と対で覚える。
  • 色素沈着と強い倦怠感・低血圧が重なる患者では、無理な負荷をかけず内分泌科での評価を勧める。
比較表
疾患ホルモンの動き皮膚所見
アジソン病コルチゾール低下、ACTH上昇皮膚・粘膜の色素沈着
クッシング症候群コルチゾール過剰赤紫色の皮膚線条、皮膚菲薄化、満月様顔貌
橋本病甲状腺ホルモン低下乾燥・粗造な皮膚、粘液水腫
バセドウ病甲状腺ホルモン過剰温かく湿潤、発汗過多、眼球突出
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