学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §16 主要な疾患 内分泌・代謝疾患 / QJ28P039

理由で解く 柔道整復師

QJ28P039 一般臨床医学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問39
問題
糖尿病の合併症として生じる神経障害でないのはどれか。
選択肢
1 手指振戦
2 振動覚低下
3 起立性低血圧
4 膝蓋腱反射消失
解答
正解1(手指振戦)
解説

糖尿病神経障害の主体は、感覚障害と自律神経障害、腱反射の低下です。手指振戦はこれに含まれません。

糖尿病神経障害は網膜症・腎症と並ぶ三大合併症で、高血糖による代謝異常と細小血管障害から生じます。最も多いのは左右対称性で足先から始まる遠位優位の多発神経障害で、しびれや痛み、感覚の鈍化に加え、振動覚の低下やアキレス腱反射の消失が早期から現れ、進行すると膝蓋腱反射も消失します。感覚が鈍るため足の傷や熱傷に気づきにくく、糖尿病足病変につながるので、毎日足を観察する、適切な靴を選ぶ、深爪を避けるといったフットケアを指導します。自律神経障害としては起立性低血圧、無自覚性低血糖、無痛性心筋虚血、胃排出遅延、便通異常、発汗異常、勃起障害などが起こります。手指振戦は交感神経の緊張や錐体外路系の異常で生じるもので、糖尿病神経障害の症状としては挙げられません。

✓ 1. これが答え(糖尿病神経障害の症状ではない)
手指振戦
振戦は低血糖時の交感神経症状、甲状腺機能亢進症、本態性振戦、パーキンソン病などでみられる所見です。糖尿病神経障害そのものの症状ではありません。
✗ 2. 糖尿病神経障害でみられる(答えではない)
振動覚低下
音叉を用いた検査で早期から低下します。遠位優位の感覚障害の一つです。
✗ 3. 糖尿病神経障害でみられる(答えではない)
起立性低血圧
自律神経障害により、起立時の血管収縮反応が働かず血圧が下がります。立ちくらみや失神の原因になるため、ゆっくり起き上がるよう指導します。
✗ 4. 糖尿病神経障害でみられる(答えではない)
膝蓋腱反射消失
深部腱反射の低下・消失がみられます。まずアキレス腱反射が消失し、進行すると膝蓋腱反射も消失します。
ポイント
  • 糖尿病の三大合併症=神経障害・網膜症・腎症。神経障害が最も早く現れやすい。
  • 多発神経障害:左右対称・足先からのしびれと感覚鈍麻、振動覚低下、アキレス腱反射消失が早期所見。
  • 自律神経障害:起立性低血圧、無自覚性低血糖、無痛性心筋虚血、胃腸症状、発汗異常、勃起障害。
  • 感覚が鈍るため外傷・熱傷に気づきにくい。毎日の足の観察、適切な靴、深爪を避けるフットケアを指導する。
  • 手指振戦は低血糖時の警告症状として出ることはあるが、神経障害の症状ではない。
比較表
分類主な症状評価方法
感覚・運動神経障害(多発神経障害)足先のしびれ・疼痛、感覚鈍麻、振動覚低下、腱反射消失音叉、モノフィラメント、アキレス腱反射
自律神経障害起立性低血圧、無自覚性低血糖、無痛性心筋虚血、便通異常、発汗異常起立試験、心拍変動
単神経障害外眼筋麻痺(複視)、顔面神経麻痺など脳神経の診察
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