学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §17 主要な疾患 膠原病 / QJ28P040

理由で解く 柔道整復師

QJ28P040 一般臨床医学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問40
問題
関節リウマチで障害されやすいのはどれか。
選択肢
1 頸椎環軸関節
2 遠位指節間関節
3 仙腸関節
4 胸鎖関節
解答
正解1(頸椎環軸関節)
解説

関節リウマチは滑膜の炎症が主体なので、滑膜に富む関節が侵されます。頸椎では環軸関節が侵されやすく、環軸椎亜脱臼を生じます。

関節リウマチは滑膜の慢性炎症を主体とする自己免疫疾患で、増殖した滑膜(パンヌス)が軟骨と骨を破壊します。したがって滑膜性の関節が標的となり、手ではMCP関節・PIP関節・手関節が左右対称に侵され、DIP関節は原則として侵されません。頸椎では第1・第2頸椎の間にある環軸関節に滑膜炎が及び、横靱帯が緩んで環軸椎亜脱臼を起こしやすくなります。ここは脊髄のすぐ前にあたるため、後頸部痛、四肢のしびれ、手指の巧緻運動障害、歩行障害といった脊髄症状が出ることがあります。関節リウマチの患者では頸部を強く前屈させる操作や急激な徒手操作を避け、こうした症状があれば画像評価を含めて医療機関と連携します。

✓ 1. 正しい
頸椎環軸関節
滑膜炎により横靱帯が弛緩し、環軸椎亜脱臼を生じやすい部位です。脊髄圧迫症状に直結するため、頸部の取り扱いに注意を要します。
✗ 2. 誤り
遠位指節間関節
関節リウマチでは原則として侵されません。DIP関節の変形はヘバーデン結節(変形性関節症)や乾癬性関節炎で典型的です。関節リウマチが侵すのはMCP・PIP関節と手関節です。
✗ 3. 誤り
仙腸関節
仙腸関節炎は強直性脊椎炎など脊椎関節炎の特徴で、関節リウマチの代表的な標的ではありません。
✗ 4. 誤り
胸鎖関節
侵されることがないわけではありませんが頻度は低く、関節リウマチで障害されやすい代表的な関節とはいえません。
ポイント
  • 本態は滑膜の慢性炎症。滑膜に富む関節が左右対称性・多発性に侵される。
  • 手ではMCP・PIP関節と手関節DIP関節は原則侵されない(DIPの変形はヘバーデン結節)。
  • 頸椎では環軸関節が侵され環軸椎亜脱臼を生じる。脊髄症状に注意し、頸部の強い前屈操作は避ける。
  • 1時間以上続く朝のこわばり、リウマトイド結節、RF・抗CCP抗体陽性。
  • 変形:スワンネック変形、ボタン穴(ボタンホール)変形、手指の尺側偏位、外反母趾。
比較表
関節リウマチ変形性関節症強直性脊椎炎
本態滑膜の自己免疫性炎症関節軟骨の変性・摩耗付着部の炎症
手指の侵される関節MCP・PIP(DIPは原則除く)DIP(ヘバーデン結節)・PIP(ブシャール結節)
特徴的部位手関節、環軸関節膝・股・脊椎仙腸関節、脊椎
こわばり朝1時間以上短時間(動かすと軽快)朝のこわばり+運動で軽快
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