学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §18 主要な疾患 腎・尿路疾患 / QJ28P041

理由で解く 柔道整復師

QJ28P041 一般臨床医学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問41
問題
腎糸球体を病変の主体とするのはどれか。
選択肢
1 間質性腎炎
2 ネフローゼ症候群
3 腎盂腎炎
4 複雑性膀胱炎
解答
正解2(ネフローゼ症候群)
解説

ネフローゼ症候群は、糸球体の濾過膜の透過性が亢進して大量の蛋白が漏れ出る病態です。病変の主体は糸球体にあります。

腎・尿路疾患は「病変がどこにあるか」で整理すると症状と結びつきます。糸球体が主座なら濾過のふるいが壊れるので蛋白尿・血尿が前面に出ます。尿細管間質が主座なら尿の濃縮力低下や電解質異常が目立ち、下部尿路が主座なら頻尿・排尿時痛などの排尿症状が出ます。ネフローゼ症候群は糸球体の濾過膜(毛細血管内皮・基底膜・足細胞)の透過性が高まってアルブミンが大量に漏れる病態で、1日3.5g以上の高度蛋白尿、低アルブミン血症、浮腫、脂質異常症を特徴とします。血漿膠質浸透圧の低下により全身に浮腫が生じ、顔(特にまぶた)のむくみで気づかれることもあります。

✓ 2. 正しい
ネフローゼ症候群
糸球体の濾過膜の透過性亢進による大量の蛋白尿が本態です。微小変化型、膜性腎症、巣状分節性糸球体硬化症、糖尿病腎症などが原因となります。
✗ 1. 誤り
間質性腎炎
病変の主座は尿細管と間質です。薬剤性が多く、尿の濃縮力低下や電解質異常が前面に出ます。
✗ 3. 誤り
腎盂腎炎
多くは尿路からの上行性細菌感染で、腎盂と尿細管間質が病変の主座です。発熱・悪寒戦慄・腰背部痛と肋骨脊柱角の叩打痛がみられます。
✗ 4. 誤り
複雑性膀胱炎
病変は膀胱にあります。結石、前立腺肥大、留置カテーテル、糖尿病など基礎疾患を伴う膀胱炎で、糸球体の疾患ではありません。
ポイント
  • ネフローゼ症候群の4徴=高度蛋白尿(1日3.5g以上)・低アルブミン血症・浮腫・脂質異常症
  • 浮腫の機序=低アルブミン血症による血漿膠質浸透圧の低下+ナトリウム貯留。
  • 糸球体病変では蛋白尿・血尿、尿細管間質病変では濃縮力低下・電解質異常、下部尿路病変では排尿症状。
  • 腎盂腎炎は肋骨脊柱角の叩打痛が手がかり。腰背部痛を訴える患者では発熱の有無を確認する。
  • 易感染性・血栓症などの合併症があり、感染兆候や下肢の腫脹に注意する。
比較表
疾患病変の主座主な所見
ネフローゼ症候群糸球体高度蛋白尿、低アルブミン血症、浮腫、脂質異常症
間質性腎炎尿細管・間質薬剤歴、尿濃縮力低下、軽度蛋白尿
腎盂腎炎腎盂・尿細管間質発熱、悪寒、肋骨脊柱角の叩打痛、膿尿
複雑性膀胱炎膀胱頻尿、排尿時痛、残尿感(基礎疾患あり)
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