学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §15 主要な疾患 血液疾患 / QJ30P036

理由で解く 柔道整復師

QJ30P036 一般臨床医学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問36
問題
頭蓋骨の骨打ち抜き像がみられるのはどれか。
選択肢
1 血友病
2 悪性リンパ腫
3 多発性骨髄腫
4 再生不良性貧血
解答
正解3(多発性骨髄腫)
解説

頭蓋骨X線で境界が明瞭な打ち抜き像(punched out lesion)を示すのは多発性骨髄腫です。骨を溶かす腫瘍だから、と理解しましょう。

多発性骨髄腫は、骨髄で抗体をつくる形質細胞が腫瘍化して増える血液悪性腫瘍です。腫瘍細胞が破骨細胞を活性化する因子を出すため、骨がまだらに溶かされます。頭蓋骨では周囲との境がはっきりした円形の透亮像が多発し、まるで穴を打ち抜いたように見えるので打ち抜き像とよばれます。骨破壊は脊椎の圧迫骨折や病的骨折、腰背部痛の原因にもなります。臨床像はCRABとしてまとめられ、高カルシウム血症、腎障害、貧血、骨病変を指します。検査では血清・尿に単クローン性の蛋白(Mタンパク、尿ではベンス・ジョーンズ蛋白)が出て、赤沈が著明に亢進します。高齢者の頑固な腰背部痛では、この疾患も鑑別に入れておく必要があります。

✓ 3. 正しい
多発性骨髄腫
腫瘍化した形質細胞が破骨細胞を活性化して骨を溶かすため、頭蓋骨に境界明瞭な多発性の透亮像(打ち抜き像)が現れます。Mタンパク、高カルシウム血症、腎障害、貧血を伴います。
✗ 1. 誤り
血友病
第VIII因子または第IX因子が欠乏するX連鎖性の凝固異常症です。関節内出血を繰り返して血友病性関節症をきたしますが、頭蓋骨の打ち抜き像は特徴ではありません。
✗ 2. 誤り
悪性リンパ腫
リンパ球由来の悪性腫瘍で、無痛性のリンパ節腫脹と発熱・盗汗・体重減少(B症状)が特徴です。骨浸潤はあり得ますが、打ち抜き像を代表所見とする疾患ではありません。
✗ 4. 誤り
再生不良性貧血
造血幹細胞が減少して骨髄が低形成となり、貧血・出血傾向・易感染性の汎血球減少をきたします。骨そのものを破壊する病態ではありません。
ポイント
  • 頭蓋骨の打ち抜き像=多発性骨髄腫。腫瘍細胞が破骨細胞を活性化して骨を溶かす。
  • 臨床像はCRAB:高カルシウム血症(Calcium)、腎障害(Renal)、貧血(Anemia)、骨病変(Bone)。
  • 検査所見:Mタンパク、尿中ベンス・ジョーンズ蛋白、赤沈著明亢進、血清総蛋白高値。
  • 血液疾患の骨・関節症状の区別:血友病=関節内出血、再生不良性貧血=汎血球減少、悪性リンパ腫=リンパ節腫脹。
  • 高齢者で安静時にも続く腰背部痛や、軽微な外力での椎体骨折をみたら病的骨折を疑い、画像評価のため医療機関へ紹介する。
比較表
疾患骨・関節の所見特徴的な検査所見
多発性骨髄腫頭蓋骨の打ち抜き像、椎体圧迫骨折Mタンパク、ベンス・ジョーンズ蛋白、高Ca
血友病反復する関節内出血、血友病性関節症APTT延長、第VIII/IX因子低下
悪性リンパ腫特異的な骨変化はないリンパ節腫脹、LDH上昇、B症状
再生不良性貧血特異的な骨変化はない汎血球減少、骨髄低形成
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