学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §15 主要な疾患 血液疾患 / QJ31P036

理由で解く 柔道整復師

QJ31P036 一般臨床医学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問36
問題
悪性リンパ腫で正しいのはどれか。
選択肢
1 無痛性リンパ節腫大を呈する。
2 異型リンパ球が増加する。
3 遺伝性疾患である。
4 抗菌薬が著効する。
解答
正解1(無痛性リンパ節腫大を呈する。)
解説

悪性リンパ腫はリンパ球が腫瘍化する血液悪性腫瘍で、痛みを伴わないリンパ節の腫れがゆっくり大きくなるのが典型像です。

頸部・腋窩・鼠径などのリンパ節が、圧痛なく、弾性硬で、数週から数か月かけて徐々に増大します。感染に伴うリンパ節腫大が有痛性で、数日から数週で軽快するのとちょうど対照的です。これに加えて、38℃を超える発熱、盗汗(寝汗)、6か月で10%以上の体重減少という「B症状」が、診断と病期分類の両方で重視されます。組織型はホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別され、日本では非ホジキンが大半を占めます。治療は化学療法・放射線療法・抗CD20抗体などの分子標的薬で、腫瘍性疾患であるため抗菌薬は効きません。施術中に、痛みのない硬いリンパ節腫大やB症状に気づいたら、経過をみるのではなく医療機関の受診を勧めることが適切な対応です。

✓ 1. 正しい
無痛性リンパ節腫大を呈する。
無痛性・弾性硬・進行性のリンパ節腫大が典型です。痛みがないために受診が遅れやすく、逆に「痛くない腫れ」こそ注意すべきサインだと押さえておきます。
✗ 2. 誤り
異型リンパ球が増加する。
末梢血に異型リンパ球(反応性の大型リンパ球)が増えるのは、EBウイルスによる伝染性単核球症が代表です。悪性リンパ腫で増えるのは腫瘍化したリンパ球そのもので、主にリンパ節内に留まり、末梢血に出るとは限りません。診断はリンパ節生検による病理組織検査で確定します。
✗ 3. 誤り
遺伝性疾患である。
親から受け継ぐ遺伝性疾患ではなく、後天的に生じた遺伝子異常(染色体転座など)によって発症します。EBウイルス、HTLV-1、ヘリコバクター・ピロリ(MALTリンパ腫)などの感染や、免疫抑制状態が危険因子として知られています。
✗ 4. 誤り
抗菌薬が著効する。
腫瘍性疾患なので抗菌薬は無効です。抗菌薬が効くのは細菌性のリンパ節炎。悪性リンパ腫の治療は化学療法・放射線療法・分子標的薬が中心になります(ピロリ菌関連の胃MALTリンパ腫で除菌が有効なのは例外的な位置づけです)。
ポイント
  • 典型は無痛性・弾性硬・進行性のリンパ節腫大
  • B症状=発熱・盗汗・6か月で10%以上の体重減少。病期分類にも用いる
  • 異型リンパ球の増加は伝染性単核球症(EBウイルス)が代表
  • 遺伝性疾患ではなく、後天的な遺伝子異常で発症する
  • 治療は化学療法・放射線療法・分子標的薬。抗菌薬は無効
  • 診断はリンパ節生検による病理組織検査
比較表
悪性リンパ腫のリンパ節腫大炎症性(反応性)リンパ節腫大
圧痛なしあり
硬さ弾性硬〜硬軟らかい
可動性乏しい(癒着・融合)良好
経過数週〜数か月で徐々に増大数日〜数週で軽快
全身症状発熱・盗汗・体重減少(B症状)感染に伴う発熱、原発巣の症状
治療化学療法・放射線療法・分子標的薬原因の治療(細菌性なら抗菌薬)
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