学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §3 診察各論 視診 / QJ30P027

理由で解く 柔道整復師

QJ30P027 一般臨床医学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問27
問題
体幹・四肢の視診の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 扁平胸-マルファン(Marfan) 症候群
2 内反膝-腓骨神経麻痺
3 くも状指-尺骨神経麻痺
4 腹部皮膚線条-妊娠を経験した女性
解答
正解4(腹部皮膚線条-妊娠を経験した女性)
解説

妊娠で腹壁が急に伸ばされると真皮の膠原線維が断裂し、腹部に皮膚線条(妊娠線)が残ります。これが正しい組合せです。

体幹・四肢の視診は、所見と原因疾患を一対一で結びつけて覚えると得点源になります。皮膚線条は皮膚が急速に引き伸ばされて真皮のコラーゲン線維が裂けたところで、妊娠、急激な体重増加、思春期の急成長で生じます。妊娠後の線条ははじめ赤みを帯び、時間とともに白色に変わります(白色線条)。一方、クッシング症候群では蛋白異化が進んで皮膚が薄くなるため、幅広く赤紫色の線条になるのが特徴で、色と幅で区別できます。他の選択肢は、所見はどれも実在しますが対応する疾患が入れ替わっており、マルファン症候群といえばくも状指と胸郭変形(漏斗胸・鳩胸)、腓骨神経麻痺といえば下垂足、というつながりを確認しましょう。

✓ 4. 正しい
腹部皮膚線条-妊娠を経験した女性
妊娠中に腹壁が急速に伸展し、真皮の膠原線維が断裂して線条が生じます。分娩後は色が抜けて白色線条として残ります。正しい組合せです。
✗ 1. 誤り
扁平胸-マルファン(Marfan) 症候群
マルファン症候群の胸郭変形は漏斗胸や鳩胸です。扁平胸は胸郭の前後径が減った胸で、やせ型の体型や慢性の消耗性疾患でみられ、対応が入れ替わっています。
✗ 2. 誤り
内反膝-腓骨神経麻痺
内反膝(O脚)は変形性膝関節症やくる病などでみられる下肢アライメント異常です。腓骨神経麻痺では下垂足と鶏歩、下腿外側から足背の感覚障害が生じ、膝の内反は起こしません。
✗ 3. 誤り
くも状指-尺骨神経麻痺
くも状指は指が細長く伸びる所見でマルファン症候群の特徴です。尺骨神経麻痺で生じる手の変形は鷲手で、小指球の萎縮やフローマン徴候を伴います。
ポイント
  • 腹部皮膚線条は皮膚が急に伸ばされた跡。妊娠・急激な体重増加・思春期の急成長でみられる。
  • 妊娠後の線条は白色で細い。クッシング症候群では赤紫色で幅広く、副腎疾患を疑う手がかりになる。
  • マルファン症候群=高身長・くも状指・漏斗胸/鳩胸・水晶体亜脱臼・大動脈解離。
  • 末梢神経麻痺と手足の形:橈骨神経=下垂手、正中神経=猿手、尺骨神経=鷲手、腓骨神経=下垂足。
  • 視診で全身疾患を示す所見に気づいたら、記録に残して医療機関受診を勧めると、早期発見につながる。
比較表
視診所見対応する疾患・状態
腹部皮膚線条(白色・細い)妊娠経験、急激な体重増加
皮膚線条(赤紫色・幅広い)クッシング症候群
くも状指、漏斗胸・鳩胸マルファン症候群
扁平胸やせ型体型、慢性消耗性疾患
内反膝(O脚)変形性膝関節症、くる病
下垂足・鶏歩腓骨神経麻痺
鷲手尺骨神経麻痺
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