学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 一般臨床医学 ▸ §3 診察各論 視診 / QJ30P026
理由で解く 柔道整復師
腹壁の皮静脈が浮き出て怒張する所見は、門脈圧亢進のサインです。選択肢のなかで門脈圧亢進をきたすのは肝硬変だけです。
腸管や脾臓からの静脈血は門脈を通って肝臓へ流れ込みます。肝硬変では線維化と再生結節によって肝内の血管抵抗が上がり、門脈の圧が高くなります。行き場を失った血液は圧の低い体循環側へ逃げ道(側副血行路)を作り、臍傍静脈から腹壁の皮静脈へ流れ込むと、臍を中心に放射状の太い静脈が浮き出ます。同じしくみで食道・胃静脈瘤(破れると吐血)や直腸静脈瘤も生じます。肝硬変ではこのほか、腹水、黄疸、クモ状血管腫、手掌紅斑、女性化乳房、羽ばたき振戦(肝性脳症)といった所見が組み合わさります。腹部の炎症性疾患や膀胱の感染症では門脈圧は上がらないため、腹壁静脈の怒張は起こりません。
| 疾患 | 主な腹部所見 | 腹壁静脈怒張 |
|---|---|---|
| 肝硬変 | 腹水、肝腫大または萎縮、黄疸 | あり(門脈圧亢進) |
| 胆嚢炎 | 右季肋部痛、マーフィー徴候、発熱 | なし |
| 虫垂炎 | 右下腹部痛、マックバーネー点圧痛、反跳痛 | なし |
| 膀胱炎 | 頻尿・排尿痛・残尿感、恥骨上部不快感 | なし |
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