学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / リハビリテーション医学 ▸ §9 臨床実地問題 / QJ30P023
理由で解く 柔道整復師
話そうとしても言葉が出ず(非流暢)、復唱もできない一方で、口頭指示には正確に従える(聴覚的理解は良好)——この組み合わせはブローカ失語(運動性失語)の典型像です。
失語の型は「流暢性」「聴覚的理解」「復唱」の3点で切り分けます。本例は、口数が少なく何か言おうとしても言葉にならない(非流暢・喚語困難)、「ボールペン」の復唱を「ボーボ…」と途中で断念(復唱障害)、しかし「左手でチョキ」という指示には間違いなく従える(理解は保たれる)。理解が良好である以上、全失語やウェルニッケ失語は除かれ、発話が非流暢である以上、伝導失語も合いません。責任病巣は左前頭葉の下前頭回後部(ブローカ野)を含む中大脳動脈上枝領域で、隣接する中心前回が巻き込まれるため右片麻痺を伴うことが多いのも特徴です。本人は自分の誤りに気づいているため、もどかしさや抑うつを抱えやすい点に配慮が要ります。関わり方としては、「はい/いいえ」で答えられる問いにする、選択肢を示す、絵カードや文字盤・ジェスチャーを併用する、言い直しを急かさず待つ、といった工夫が有効です。
| 型 | 発話(流暢性) | 聴覚的理解 | 復唱 | 主な病巣 |
|---|---|---|---|---|
| ブローカ失語 | 非流暢 | 良好 | 不良 | 左下前頭回後部 |
| ウェルニッケ失語 | 流暢 | 不良 | 不良 | 左上側頭回後部 |
| 伝導失語 | 流暢 | 良好 | 著明に不良 | 縁上回・弓状束周辺 |
| 全失語 | 非流暢 | 不良 | 不良 | 左中大脳動脈領域の広範病変 |
| 超皮質性運動失語 | 非流暢 | 良好 | 良好 | ブローカ野の前方・上方 |
解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。