学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §4 リハビリテーション医学の評価と診断 / QJ30P022

理由で解く 柔道整復師

QJ30P022 リハビリテーション医学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問22
問題
高齢者の姿勢バランスをファンクショナルリーチテストで見る場合、正常とみなされる境界到達距離はどれか。
選択肢
1 5cm
2 10cm
3 15cm
4 20cm
解答
正解3(15cm)
解説

ファンクショナルリーチテスト(FRT)は、立位で上肢をどれだけ前方に伸ばせるかを測る動的バランス検査です。正常と転倒リスクを分ける境界はおよそ15 cmとされています。

壁の横に立ち、肩関節を90度屈曲して拳を握り、足の位置を変えずに前方へ最大限リーチしたときの指先の移動距離を測ります。足を動かさずに重心をどこまで前へ運べるか、すなわち安定性限界(stability limit)を反映するのがこの検査の値打ちです。原法(Duncanら)では約15 cm(6インチ)未満で転倒リスクが高いとされ、25 cm前後を超えていればバランスは良好と判断されます。加齢とともに短縮し、高齢者では下肢筋力・足関節戦略・姿勢制御の低下が値に表れます。単独で判断せず、Timed Up and Go テスト(13.5秒以上で転倒リスク高、10秒以内で自立レベル)や片脚立位時間などと組み合わせて評価し、結果が低ければバランス練習・下肢筋力強化・住環境の整備(手すり、段差解消、照明)につなげます

✓ 3. 正しい
15cm
正常とみなす境界としてよく用いられる値です。これを下回ると前方への重心移動の余裕が乏しく、転倒リスクが高いと判断されます。
✗ 1. 誤り
5cm
境界を大きく下回る値で、バランス能力が著明に低下している状態にあたります。正常の目安としては用いません。
✗ 2. 誤り
10cm
15 cm未満なので転倒リスクが高いと判断される領域です。正常と異常を分ける境界値ではありません。
✗ 4. 誤り
20cm
境界の15 cmを上回っておりバランスは保たれていると解釈できますが、正常/異常を分ける基準値そのものではありません。
ポイント
  • FRTは立位で足を動かさずに前方へリーチした距離を測る動的バランスの検査。安定性限界を反映する。
  • 測定は壁の横に立ち、肩関節90度屈曲・握りこぶしで最大リーチ。指先(第3中手骨頭)の移動距離を読む。
  • 境界は15 cm。これ未満で転倒リスクが高い。25 cm前後以上なら良好。
  • 併用する評価:Timed Up and Go(13.5秒以上で転倒リスク高)、片脚立位時間、Berg Balance Scale。
  • 低値なら、バランス練習・下肢筋力強化に加え、手すりや段差解消などの環境調整を行う。
比較表
評価法みるもの目安となる値
ファンクショナルリーチテスト前方への安定性限界15 cm未満で転倒リスク高
Timed Up and Go起立・歩行・方向転換の総合能力13.5秒以上で転倒リスク高/10秒以内は自立
片脚立位時間静的バランス短いほど転倒リスク高
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