学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §4 リハビリテーション医学の評価と診断 / QJ31P014

理由で解く 柔道整復師

QJ31P014 リハビリテーション医学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問14
問題
. ADLの評価項目で誤っているのはどれか。
選択肢
1 バーセル指数には入浴が含まれる。
2 バーセル指数にはコミュニケーションが含まれる。
3 機能的自立度評価表(FIM)には階段昇降が含まれる。
4 機能的自立度評価表(FIM)には記憶が含まれる。
解答
正解2(バーセル指数にはコミュニケーションが含まれる。)
解説

ADL評価の二大スケールであるバーセル指数(BI)と機能的自立度評価表(FIM)の「守備範囲の違い」を問う一問です。BIは運動(身体的)ADLだけを見る尺度で、コミュニケーションのような認知項目は含みません。

バーセル指数は10項目(食事/車椅子・ベッド間の移乗/整容/トイレ動作/入浴/平地歩行(移動)/階段昇降/更衣/排便コントロール/排尿コントロール)を0・5・10(一部15)点で採点し、満点100点で「できるADL」をおおまかに把握します。短時間で採点でき経過を追いやすい反面、項目が粗く、認知面はまったく評価しません。一方FIMは運動項目13+認知項目5の計18項目を、それぞれ介助量に応じて1〜7点の7段階で採点し、18〜126点で「しているADL」を表します。認知項目5つは〈理解・表出(コミュニケーション)〉と〈社会的交流・問題解決・記憶(社会的認知)〉で、ここがBIとの決定的な差です。したがって「コミュニケーション」や「記憶」が出てきたら、それはFIM側の項目だと判断できます。

✓ 2. 誤り(これが設問の答え)
バーセル指数にはコミュニケーションが含まれる。
実際にはコミュニケーションは含まれません。バーセル指数の10項目はすべて身体的(運動)ADLで、意思の理解・表出といった認知・言語面は評価対象外です。コミュニケーション(理解・表出)はFIMの認知項目に属します。BIで自立と出ていても言語障害や認知障害の影響は数値に反映されないため、そこを見たいときはFIMやHDS-R・MMSEなど別の尺度を併用する、と覚えておくと実務でも試験でも迷いません。
✗ 1. 正しい記述(設問の答えではない)
バーセル指数には入浴が含まれる。
入浴はバーセル指数10項目の一つで、正しい記述です。採点は自立5点/介助を要すれば(部分介助でも)0点の2段階で、整容とともに配点の小さい項目です。中間点がなく部分介助でも0点になる点が特徴で、BI10項目のうち2段階採点はこの入浴と整容だけ、移乗と歩行(移動)は15点満点、残りは10点満点と整理しておくとよいでしょう。BIの10項目は「食事・移乗・整容・トイレ動作・入浴・歩行(移動)・階段昇降・更衣・排便・排尿」で、いずれも身体を動かして行う日常動作である点を押さえてください。
✗ 3. 正しい記述(設問の答えではない)
機能的自立度評価表(FIM)には階段昇降が含まれる。
FIMの運動項目13のうち「移動」に、歩行・車椅子と並んで階段が含まれており、正しい記述です。なお階段昇降はバーセル指数にも含まれるため、この項目だけではBIとFIMを区別できません。両者の差がつくのは認知項目である、という視点で選択肢を読み比べるのが得点のコツです。
✗ 4. 正しい記述(設問の答えではない)
機能的自立度評価表(FIM)には記憶が含まれる。
記憶はFIMの認知項目(社会的認知=社会的交流・問題解決・記憶)の一つで、正しい記述です。FIMが認知項目を持つことで、身体機能は保たれていても指示が入らず介助を要する患者の「実際の手のかかり具合」を数値化できます。選択肢2と対にして、記憶もコミュニケーションもFIM側、と結び付けて覚えましょう。
ポイント
  • バーセル指数は10項目・満点100点。全項目が運動(身体的)ADLで、認知・コミュニケーション項目はない。
  • バーセル指数の10項目=食事・移乗・整容・トイレ動作・入浴・歩行(移動)・階段昇降・更衣・排便・排尿。
  • 入浴と整容は自立5点/介助を要すれば(部分介助でも)0点の2段階採点で、中間点はない。
  • FIMは18項目(運動13+認知5)を各1〜7点で採点し、18〜126点。介助量を細かく段階評価できる。
  • FIMの認知5項目=理解・表出(コミュニケーション)/社会的交流・問題解決・記憶(社会的認知)。
  • 「コミュニケーション」「記憶」が出たらFIM、と直結させれば、この型の問題は即答できる。
比較表
比較点バーセル指数(BI)機能的自立度評価表(FIM)
項目数10項目(すべて運動)18項目(運動13+認知5)
採点・満点0・5・10(一部15)点、100点満点各項目1〜7点、18〜126点
入浴含む(自立5点/介助0点の2段階)含む(清拭、浴槽・シャワーへの移乗)
階段昇降含む含む(移動の項目)
コミュニケーション(理解・表出)含まない含む(認知項目)
記憶含まない含む(社会的認知)
とらえ方の特徴簡便で経過を追いやすい。おおまかな自立度介助量を細かく段階化。実際に「している」ADLを反映
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