学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §8 リハビリテーションと福祉 / QJ31P013

理由で解く 柔道整復師

QJ31P013 リハビリテーション医学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問13
問題
身体障害者手帳の肢体不自由の重症度で、「一側上肢の著しい機能障害」に該当するのはどれか。
選択肢
1 1級
2 2級
3 3級
4 4級
解答
正解3(3級)
解説

身体障害者手帳(肢体不自由・上肢)の等級表で、「一上肢の機能の著しい障害」は3級に当たる。

身体障害者手帳は身体障害者福祉法に基づく制度で、指定医(同法第15条指定医)の診断書をもとに都道府県知事・指定都市市長等が交付する。等級は1級が最も重く、数字が大きいほど軽い。上肢全体の機能障害については、両上肢の機能全廃=1級/両上肢の機能の著しい障害・一上肢の機能全廃=2級/一上肢の機能の著しい障害=3級という3段の並びを、ひとまとまりで覚えてしまうのが早い。「両側が全廃」を頂点に、「両側が著しい障害」と「一側が全廃」が同じ重さで並び、そこから「一側の著しい障害」へ下りる、という1級〜3級だけの対応関係である。ただし、この3段の下に同じ調子で続きがあるわけではない点に注意したい。4〜6級は上肢全体ではなく、肩・肘・手のいずれか一関節や手指といった、より限定された範囲の障害が中心になる。上肢全体を対象とする項目としては「一上肢の機能の軽度の障害」が最後に出てくるが、これは4級ではなく7級である。したがって上記の3段は、あくまで1〜3級に限った記憶法として使い、「条件が1段軽くなるごとに1級下がる」といった一般則には広げないこと。

✓ 3. 正しい
3級
等級表の3級に「一上肢の機能の著しい障害」がそのまま掲げられている。「著しい障害」とは、上肢全体としての機能が大きく損なわれているが随意運動が完全には失われていない状態を指す。同じ3級には「一上肢のすべての指を欠くもの」「一上肢のすべての指の機能を全廃したもの」「両上肢のおや指及びひとさし指を欠くもの」なども並び、いずれも「片側の上肢全体が重く障害された程度」とつり合う水準としてまとめられている。
✗ 1. 誤り
1級
上肢の1級は「両上肢の機能を全廃したもの」「両上肢を手関節以上で欠くもの」で、左右そろって機能が失われた最重度に限られる。日常生活動作のほぼすべてに介助を要する水準であり、片側だけの障害はここには届かない。
✗ 2. 誤り
2級
2級は「両上肢の機能の著しい障害」「両上肢のすべての指を欠くもの」「一上肢の機能を全廃したもの」「一上肢を上腕の2分の1以上で欠くもの」。一側であれば“全廃”まで至って初めて2級になる。設問は一側かつ「著しい障害」=全廃ではないので、1段軽い3級となる。
✗ 4. 誤り
4級
4級は「一上肢の肩関節、肘関節又は手関節のうち、いずれか一関節の機能を全廃したもの」「一上肢のすべての指の機能の著しい障害」「両上肢のおや指を欠くもの」「おや指又はひとさし指を含めて一上肢の三指を欠くもの」など。上肢全体ではなく、一関節または手指に限局した障害が対象で、設問の「一上肢の機能の著しい障害」より障害の及ぶ範囲が狭い。なお「上肢のおや指及びひとさし指を欠くもの」は3級であって4級の項目ではない(4級のおや指の項目は「上肢のおや指を欠くもの」)。おや指・ひとさし指がらみの項目は級ごとに条件が細かく異なるので、両側か一側か、何指かをセットで確認する。
ポイント
  • 身体障害者手帳の等級は1級が最重度で、数字が大きいほど軽い。肢体不自由は7級まで区分があるが、7級単独では手帳は交付されず、7級相当が2つ以上重複して初めて6級として交付される。
  • 上肢全体の機能障害は両上肢の全廃=1級/両上肢の著しい障害・一上肢の全廃=2級/一上肢の著しい障害=3級の3段で覚える。この記憶法が使えるのは1〜3級までで、「条件が1段軽くなるごとに1級下がる」という一般則ではない(「両上肢の軽度の障害」という区分も等級表には存在しない)。
  • 本問の「一側上肢の著しい機能障害」=等級表の「一上肢の機能の著しい障害」=3級
  • 4〜6級は上肢全体ではなく、肩・肘・手のいずれか一関節や手指単位の障害が中心。ただし「一上肢の機能の軽度の障害」は例外的に上肢全体を対象とする項目で、7級(4級ではない)。
  • 交付には身体障害者福祉法第15条指定医の診断書・意見書が必要で、申請先は住所地の市区町村(福祉担当窓口)。障害の程度が変わった場合は再認定・等級変更の申請ができることも指導内容として押さえておく。
比較表
上肢の障害の範囲と程度等級
両上肢の機能を全廃/両上肢を手関節以上で欠く1級
両上肢の機能の著しい障害/一上肢の機能を全廃/一上肢を上腕の1/2以上で欠く2級
一上肢の機能の著しい障害/一上肢のすべての指を欠く/両上肢のおや指及びひとさし指を欠く3級(本問の答え)
一上肢の肩・肘・手のいずれか一関節の機能を全廃/一上肢のすべての指の機能の著しい障害/両上肢のおや指を欠く/おや指又はひとさし指を含めて一上肢の三指を欠く4級
一上肢の肩・肘・手のいずれか一関節の機能の著しい障害/一上肢のおや指を欠く5級
一上肢のおや指の機能の著しい障害/ひとさし指を含めて一上肢の二指を欠く6級
一上肢の機能の軽度の障害(※上肢全体の項目だが4級ではなく7級)7級(単独では手帳交付なし)
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