学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §5 リハビリテーションの治療 / QJ30P020

理由で解く 柔道整復師

QJ30P020 リハビリテーション医学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問20
問題
脳卒中で右上下肢とも中等度麻痺を呈している。通常使わない補装具はどれか。
選択肢
1 T字杖
2 前輪歩行器
3 短下肢装具
4 普通型車いす
解答
正解2(前輪歩行器)
解説

片麻痺では、健側の片手で扱える杖や、麻痺側下肢を支える装具が主役になります。前輪歩行器は左右のグリップを両手で保持して初めて安定するため、片麻痺の患者には通常用いられないと考えられます。

中等度の片麻痺では、麻痺側上肢で歩行補助具をしっかり握り、体重を預けることが難しくなります。歩行器(前輪歩行器、固定型、四輪型など)は両手でフレームを保持して支持基底面を広げる道具なので、両上肢が使える人——高齢者の下肢筋力低下、両側性の失調、下肢術後の免荷など——に適応があるとされます。片麻痺の歩行練習では、健側にT字杖を持ち、麻痺側の下垂足・内反尖足や膝折れに対して短下肢装具を併用するのが標準的な組み合わせです。歩行が実用的でない時期や長距離の移動では車いすを併用し、健側の上下肢で駆動できるよう座面高を下げる、片手駆動式にするなどの調整を行います。「両手を使う道具か、片手で足りる道具か」で仕分けるのが、この種の設問を解く軸です。

✓ 2. これが答え(通常は使わない)
前輪歩行器
両手でグリップを保持し、前輪を転がしながら体重を支える構造です。麻痺側上肢での支持が期待しにくい片麻痺では安定した操作が難しく、一般には選択されにくい補助具とされます。
✗ 1. 通常使う(答えではない)
T字杖
健側(この例では左)の手で把持し、支持基底面を広げて立位・歩行の安定を得ます。片麻痺の歩行練習で最も標準的な補助具です。
✗ 3. 通常使う(答えではない)
短下肢装具
麻痺側の下垂足・内反尖足を制動して足関節を安定させ、遊脚期のつまずきを防ぎ立脚期を作ります。片麻痺の歩行再建で頻用されます。
✗ 4. 通常使う(答えではない)
普通型車いす
歩行が実用的でない時期や長距離移動の手段として併用します。片麻痺では健側の上下肢で駆動できるよう座面高を下げるなどの調整を行って用います。
ポイント
  • 片麻痺の歩行補助は健側で扱えることが前提。T字杖+短下肢装具が基本の組み合わせ。
  • 歩行器は両手でフレームを保持する道具。両上肢が使える人(下肢筋力低下、失調、下肢術後の免荷)が主な対象。
  • 短下肢装具は下垂足・内反尖足の制動と足関節の安定が目的。
  • 車いすは移動手段として併用。片麻痺では健側上下肢で駆動できるよう座面高やタイプを調整する。
  • 杖は支持性の高い順に、歩行器>ウォーカーケイン>多脚杖>ロフストランド杖>T字杖。回復に応じて段階的に軽い物へ移行する。
比較表
補助具必要な上肢片麻痺での位置づけ
T字杖片手(健側)標準的に使用
短下肢装具不要(下肢に装着)標準的に使用
普通型車いす健側で駆動可移動手段として併用
前輪歩行器両手通常は選ばれにくい
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