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理由で解く 柔道整復師

QJ30P006 衛生学・公衆衛生学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問6
問題
衛生行政と所管する官庁の組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 一般衛生行政-厚生労働省
2 学校保健行政一・文部科学省
3 環境衛生行政-環境省
4 労働衛生行政-経済産業省
解答
正解4(労働衛生行政-経済産業省)
解説

労働衛生行政を所管するのは厚生労働省(労働基準局)であり、経済産業省ではない。誤っている組合せは4。

日本の衛生行政は、一般衛生(地域保健)、学校保健、労働衛生、環境保全の4本柱で整理される。一般衛生行政は厚生労働省から都道府県の衛生主管部局を経て保健所・市町村保健センターへ流れる。学校保健行政は文部科学省から都道府県教育委員会、市町村教育委員会を経て各学校へ届く。労働衛生行政は厚生労働省から都道府県労働局、労働基準監督署という独自の系列をたどり、労働安全衛生法に基づいて事業場を対象とする。第4の柱は環境保全行政で、環境省から都道府県・市町村の環境部局へつながる。本問の選択肢3にある「環境衛生行政」はこの環境保全行政を指しており、以下では同じ柱として扱う。「誰を守る行政か」で所管官庁が決まると考えると、住民は厚生労働省、児童生徒は文部科学省、労働者は厚生労働省、生活環境・自然環境は環境省と整理できる。

✓ 4. 誤っている組合せ(これが正答)
労働衛生行政-経済産業省
労働者の健康と安全を所管するのは厚生労働省で、労働安全衛生法を根拠に、都道府県労働局・労働基準監督署が実務を担う。経済産業省が扱うのは産業政策やエネルギー政策であり、労働者の健康管理ではない。事業場の産業医選任や特殊健康診断、作業環境測定なども厚生労働省の系列で動くと覚える。
✗ 1. 正しい組合せ(正答ではない)
一般衛生行政-厚生労働省
地域住民全般を対象とする一般衛生行政は厚生労働省が所管する。地域保健法に基づき、都道府県等が設置する保健所が広域的・専門的な業務を、市町村保健センターが健診や健康相談など住民に身近なサービスを担う二層構造になっている。
✗ 2. 正しい組合せ(正答ではない)
学校保健行政一・文部科学省
児童生徒・学生および教職員を対象とする学校保健は文部科学省の所管。学校保健安全法に基づき、健康診断、感染症による出席停止、学校環境衛生などが定められる。学校医・学校歯科医・学校薬剤師の配置もこの系列にある。
✗ 3. 正しい組合せ(正答ではない)
環境衛生行政-環境省
ここでいう「環境衛生行政」は衛生行政の4本柱でいう環境保全行政のことで、公害対策や自然環境の保全を担う環境省が所管する。環境省は2001年の省庁再編で環境庁から格上げされた。ただし「環境衛生」という語には、上水道・食品衛生・生活衛生営業(理容・美容・クリーニング等)といった厚生労働省所管分野を指す伝統的な用法もある点に注意したい。つまり、公害防止・自然環境の保全は環境省、飲料水や食品など人の生活に直結する狭義の環境衛生の一部は厚生労働省、という切り分けになる。本問は組合せ問題であり、明らかな誤りは選択肢4だけなので、選択肢3は正しい組合せとして扱う。
ポイント
  • 衛生行政の4本柱=一般衛生・学校保健・労働衛生・環境保全
  • 一般衛生行政:厚生労働省→都道府県衛生主管部局→保健所→市町村保健センター
  • 学校保健行政:文部科学省→都道府県教育委員会→市町村教育委員会→学校
  • 労働衛生行政:厚生労働省→都道府県労働局→労働基準監督署(根拠は労働安全衛生法)。経済産業省は産業・エネルギー政策の担当
  • 環境保全行政(本問の「環境衛生行政」):環境省→都道府県・市町村の環境部局
  • 用語の注意:上水道・食品衛生・生活衛生営業など狭義の「環境衛生」の一部は厚生労働省所管であり、公害防止と自然環境の保全が環境省の担当
比較表
区分対象所管官庁第一線の機関主な法律
一般衛生行政地域住民全般厚生労働省保健所・市町村保健センター地域保健法
学校保健行政児童生徒・学生・教職員文部科学省学校学校保健安全法
労働衛生行政労働者厚生労働省労働基準監督署労働安全衛生法
環境保全行政(本問の「環境衛生行政」)生活環境・自然環境環境省都道府県・市町村の環境部局環境基本法
備考:上水道・食品衛生・生活衛生営業など狭義の「環境衛生」の一部は厚生労働省所管。環境省が担うのは公害防止と自然環境の保全である。
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