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理由で解く 柔道整復師

QJ30A128 病理学概論

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問128
問題
扁平上皮癌の好発部位はどれか。
選択肢
1 口腔
2
3 大腸
4 子宮体部
解答
正解1(口腔)
解説

扁平上皮癌は重層扁平上皮に覆われた部位から発生する。4肢のうち重層扁平上皮でできているのは口腔で、正解は1。

癌の組織型は、その場所を覆う上皮の種類でほぼ決まる、という原則をまず押さえたい。重層扁平上皮に覆われる皮膚、口腔、咽頭、喉頭、食道、肛門管、腟、子宮頸部(外子宮口側)からは扁平上皮癌が発生する。一方、腺(円柱)上皮に覆われる胃、腸、胆道、膵、子宮体部(内膜)、前立腺からは腺癌が発生する。口腔の扁平上皮癌では喫煙、飲酒、不適合な義歯や歯の鋭縁による慢性的な機械的刺激が危険因子となり、白板症が先行することがある。例外として重要なのが肺で、本来は線毛円柱上皮に覆われているが、喫煙による慢性刺激で扁平上皮化生が起こり、その化生上皮から扁平上皮癌が発生する。「化生した先の上皮に応じた癌が出る」と考えれば、原則と例外が一つの理屈でつながる。口腔内に治りにくい潰瘍や白色病変を見つけたときは、経過をみるだけにせず歯科口腔外科などの受診をすすめる。

✓ 1. 正しい
口腔
口腔粘膜は重層扁平上皮に覆われているため、生じる癌の大半は扁平上皮癌。喫煙・飲酒・不適合義歯などの慢性刺激が危険因子で、白板症が先行することがある。
✗ 2. 誤り
胃粘膜は腺(円柱)上皮なので、胃癌の大部分は腺癌。Helicobacter pylori感染から萎縮性胃炎、腸上皮化生を経て発生する経路が知られる。
✗ 3. 誤り
大腸
大腸粘膜も腺上皮であり、大腸癌のほとんどは腺癌。多くは腺腫を経て癌化する(adenoma-carcinoma sequence)。
✗ 4. 誤り
子宮体部
子宮内膜は腺上皮で、体癌の大部分は類内膜腺癌。エストロゲンの持続刺激が主因。同じ子宮でも頸部は重層扁平上皮で扁平上皮癌が多く、体部とは対照的である。
ポイント
  • 癌の組織型は、その部位を覆う上皮の種類で決まる。重層扁平上皮→扁平上皮癌、腺(円柱)上皮→腺癌。
  • 扁平上皮癌の好発部位=皮膚、口腔、咽頭、喉頭、食道、肛門管、子宮頸部、腟。
  • 腺癌の好発部位=胃、腸、胆道、膵、子宮体部、前立腺。
  • 肺は本来円柱上皮だが、喫煙による扁平上皮化生から扁平上皮癌が発生する(化生を介した例外)。
  • 子宮は頸部=扁平上皮癌、体部=腺癌。同一臓器での対比としてよく問われる。
比較表
部位覆っている上皮多い組織型
口腔・咽頭・喉頭・食道重層扁平上皮扁平上皮癌
皮膚重層扁平上皮(角化)有棘細胞癌(扁平上皮癌)、基底細胞癌
子宮頸部重層扁平上皮扁平上皮癌
胃・大腸腺(円柱)上皮腺癌
子宮体部(内膜)腺上皮類内膜腺癌
線毛円柱上皮(喫煙で扁平上皮化生)腺癌、扁平上皮癌(化生を経て)
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