学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 病理学概論 ▸ §9 腫瘍 / QJ30A127
理由で解く 柔道整復師
前立腺肥大(症)は良性の過形成であり、そこから癌が発生する経路は示されていない。前癌病変でないのは4で、これが答え。
前癌病変とは、放置すると癌になる確率が高い形態学的変化のことで、多くは異形成(dysplasia)や腺腫のように、上皮内で細胞異型・構造異型を示す。前立腺肥大症は、加齢とアンドロゲンの影響で内腺(移行領域)の腺組織と平滑筋が増える過形成であり、細胞に異型はなく、増えているのは正常な構造の細胞である。前立腺癌は主に外腺(辺縁領域)から発生し、その前癌病変としては前立腺上皮内腫瘍(PIN)が知られている。発生する場所も違うため、同じ前立腺に肥大症と癌が併存することはあっても、それは因果関係ではなく、どちらも高齢男性に多いという共通点の反映である。前立腺肥大症では排尿困難・頻尿・残尿感が生じるので、こうした訴えを聞いたときは自己判断で経過をみるのではなく泌尿器科の受診をすすめる、という対応につなげたい。
| 病変 | 位置づけ | 行き先 |
|---|---|---|
| 食道異形成 | 前癌病変 | 食道扁平上皮癌 |
| 大腸腺腫 | 前癌病変 | 大腸腺癌 |
| 子宮頸部異形成(CIN) | 前癌病変 | 子宮頸部扁平上皮癌 |
| 前立腺上皮内腫瘍(PIN) | 前癌病変 | 前立腺癌 |
| 前立腺肥大(症) | 良性の過形成(異型なし) | 癌化する経路は示されていない |
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