学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §6 歩行 / QJ30A113

理由で解く 柔道整復師

QJ30A113 運動学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問113
問題
正常歩行時に重心の位置が最も高くなる時期はどれか。
選択肢
1 踵接地
2 足底接地
3 立脚中期
4 踵離地
解答
正解3(立脚中期)
解説

正常歩行で身体重心が最も高くなるのは、片脚支持となり膝が伸び切る立脚中期です。最も低くなるのは両脚支持期にあたります。

歩行中の身体重心(およそ第2仙椎のやや前方、身長の55%前後の高さ)は、上下方向・左右方向にそれぞれ約4〜5cmの正弦波を描いて移動します。上下動は1歩行周期(両脚で2歩)のあいだに2回の山と谷を作ります。山は立脚中期で、支持脚の足関節の真上に体幹が乗り、膝が最も伸展して下肢が実質的に最も長くなるため、重心は最高位に達します。谷は両脚支持期(踵接地から荷重応答期)で、両脚が前後に開いて三角形を作るぶん実効的な下肢長が短くなり、重心は最低位になります。この上下動をできるだけ小さく抑えるために、骨盤の回旋・骨盤の側方傾斜・立脚初期の膝屈曲・足関節と膝の連動といった機構(歩行の決定因子)が働き、エネルギー消費を節約しています。歩行分析では、この上下動が過大になっていないか(跛行や代償の有無)を立脚中期を基準に観察すると変化を捉えやすくなります。

✗ 1. 誤り
踵接地
立脚期の始まりで、両脚支持期にあたります。両脚が前後に開くため実効的な下肢長が短くなり、重心は低い位置にあります。
✗ 2. 誤り
足底接地
踵接地に続く荷重応答期で、膝は軽度屈曲して衝撃を吸収しています。重心は最低位から上昇に転じる途中で、最高にはなりません。
✓ 3. 正しい
立脚中期
片脚支持となり、体幹が支持脚の真上に乗って膝が最も伸展します。下肢が最も長くなるため重心は最高位に達し、同時に支持側への側方移動も最大となります。
✗ 4. 誤り
踵離地
立脚後期で、重心は最高位を過ぎて下降に向かう局面です。この後、反対側の踵接地が起こって再び両脚支持期(重心最低位)に入ります。
ポイント
  • 重心が最も高い=立脚中期(片脚支持・膝伸展位)
  • 重心が最も低い=両脚支持期(踵接地〜荷重応答期)
  • 上下動・左右動はそれぞれ約4〜5cm。1歩行周期で上下動は2回起こる
  • 身体重心の位置はおよそ第2仙椎のやや前方、身長の約55%の高さ
  • 骨盤回旋・骨盤側方傾斜・立脚初期の膝屈曲などが上下動を抑え、エネルギー消費を減らす
比較表
歩行周期の相支持の状態重心の高さ
踵接地・荷重応答期両脚支持最低
立脚中期片脚支持最高
踵離地(立脚後期)片脚支持 → 両脚支持へ下降中
足趾離地〜遊脚期反対側の片脚支持反対側の立脚中期で再び最高
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