学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §5 姿勢 / QJ30A112

理由で解く 柔道整復師

QJ30A112 運動学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問112
問題
重心動揺面積が最小となるのはどれか。
選択肢
1 10歳
2 25歳
3 50歳
4 75歳
解答
正解2(25歳)
解説

重心動揺(身体動揺)の面積は年齢に対してU字型を描き、20〜30歳代で最小になります。選択肢では25歳が該当します。

まっすぐ静止して立っているつもりでも身体はわずかに揺れており、その足圧中心の軌跡が囲む面積が重心動揺面積です。立位を保つには、視覚・前庭覚・体性感覚(とくに足底の圧覚と下肢の固有感覚)の入力を中枢で統合し、足関節や股関節の筋で素早く修正し続ける必要があります。小児期はこの感覚統合と筋出力の微調整が発達途上のため動揺が大きく、10歳前後でもまだ成人値には届きません。20歳前後で成人と同レベルまで低下し、20〜30歳代で最小になります。その後は感覚受容器の感度低下、反応時間の延長、下肢筋力の低下が重なって再び増大し、高齢になるほど動揺は大きくなります。とくに閉眼で立つと視覚の補正が使えなくなるため、高齢者では開眼時との差が若年者より大きく開くのも特徴です。高齢者では動揺の大きさが転倒リスクと結びつくため、下肢筋力トレーニングやバランス練習、段差・照明などの環境調整を併せて提案するとよいでしょう。

✗ 1. 誤り
10歳
平衡機能はまだ発達途上で、成人より動揺は大きくなります。おおむね中学生から高校生の時期を通じて成人値へ近づいていきます。
✓ 2. 正しい
25歳
感覚入力・中枢での統合・筋出力がそろって最も良好な時期で、重心動揺面積は最小となります。
✗ 3. 誤り
50歳
最小の時期は過ぎており、加齢に伴う動揺の増大が始まる年代です。25歳と比べれば動揺面積は大きくなります。
✗ 4. 誤り
75歳
視覚・前庭覚・体性感覚の低下に、筋力低下と反応の遅れが加わり、選択肢の中では動揺が最も大きくなります。転倒リスクの評価指標としても用いられます。
ポイント
  • 重心動揺面積は年齢に対してU字型。最小は20〜30歳代
  • 小児は平衡機能が発達途上のため動揺が大きい
  • 高齢者は感覚低下+筋力低下+反応遅延で動揺が増大し、転倒リスクにつながる
  • 立位保持は視覚・前庭覚・体性感覚の3入力を中枢で統合して成り立つ
  • 閉眼で動揺が著しく増す場合(Romberg徴候)は、視覚以外の入力の障害を疑う
比較表
年代重心動揺面積背景
小児(〜10歳代前半)大きい感覚統合と筋出力の調節が発達途上
20〜30歳代最小感覚・中枢・筋力がそろって良好
中年(50歳前後)やや増大受容器の感度・筋力が徐々に低下
高齢(70歳以上)最も大きい感覚低下・反応遅延・筋力低下が重なる
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