学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 運動学 ▸ §6 歩行 / QJ30A114
理由で解く 柔道整復師
すくみ足はパーキンソン病の代表的な歩行障害で、1が正しい選択肢です。他の3つは小脳、錐体路、脊柱管・末梢動脈といった別の部位の障害を示す歩行です。
パーキンソン病では中脳黒質緻密部のドパミン神経細胞が変性・脱落し、線条体へ届くドパミンが減少します。その結果、大脳基底核ループが運動の開始・切り替えをうまく促せなくなり、安静時振戦・筋強剛(固縮)・無動/寡動・姿勢反射障害の四徴が現れます。歩行に表れるのが、一歩目が踏み出せない、あるいは歩行途中で足が止まってしまうすくみ足で、歩き出し・方向転換・狭い場所の通過・目的地の直前などで起こりやすいのが特徴です。加えて、歩幅が狭い小刻み歩行、前傾前屈姿勢のまま重心が前方へ移動して止まれない加速歩行・突進現象、腕振りの減少もみられます。すくみ足には、床にテープで線を引く、号令やメトロノームで拍子をとるといった視覚・聴覚のきっかけ(キュー)が有効です。これは外部からの合図が、働きの落ちた大脳基底核を経由する内的な運動開始の回路を迂回し、別の経路(前頭前野〜運動前野・小脳系)で一歩目を引き出すためと説明されます。動作指導では「止まってしまったらその場で足踏みしてから線をまたぐ」など、次の一歩を引き出す手順を具体的に伝え、転倒予防につなげます。
| 歩行の型 | みえかた | 主な病態・障害部位 |
|---|---|---|
| すくみ足・小刻み歩行 | 一歩目が出ない、歩幅が狭い、前傾で加速し止まれない | パーキンソン病(大脳基底核・黒質ドパミン系) |
| 酩酊歩行(失調性歩行) | 開脚し体幹が動揺、方向が定まらない | 小脳性運動失調(小脳・小脳路) |
| 片麻痺歩行(ぶん回し歩行) | 麻痺側下肢を外側へ回して振り出す、Wernicke-Mann肢位 | 脳血管障害後の痙性片麻痺(錐体路) |
| 間欠性跛行 | 一定距離歩くと下肢痛・しびれ、休むと再び歩ける | 腰部脊柱管狭窄症、閉塞性動脈硬化症 |
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