学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 運動学 ▸ §6 歩行 / QJ29A114
理由で解く 柔道整復師
トレンデレンブルグ徴候は股関節外転筋、とくに中殿筋の筋力低下によって生じる。片脚立位で遊脚側の骨盤が下がるのが特徴である。
片脚立ちでは、体重の作用線が支持脚の股関節の内側を通るため、骨盤は遊脚側へ傾こうとする。これを支持脚側の中殿筋(および小殿筋)が収縮して引き止めることで、骨盤は水平に保たれる。上殿神経麻痺、変形性股関節症、発育性股関節形成不全、大腿骨頸部骨折後などで中殿筋の張力が落ちると、この釣り合いが崩れて遊脚側の骨盤が下がる。これがトレンデレンブルグ徴候であり、この徴候を伴う跛行を中殿筋歩行(トレンデレンブルグ歩行)と呼ぶ。一方、骨盤を下げる代わりに体幹を支持脚側へ傾け、重心を支持脚の股関節の上に移して外転筋の負担を減らす代償もみられる。これがデュシェンヌ徴候(デュシェンヌ跛行)である。なお、外転筋不全が両側性に及び、歩行のたびに体幹が左右へ大きく振れる歩容は動揺性歩行(waddling gait)と呼ぶ語で、片側性のデュシェンヌ徴候の別名ではない。評価は後方から上後腸骨棘と骨盤の高さを比べて行い、陽性であれば外転筋の筋力強化と、背景にある股関節疾患への対応を並行して進める。
| 筋力低下する筋 | 現れる徴候・歩行 | 特徴 |
|---|---|---|
| 中殿筋 | トレンデレンブルグ徴候/中殿筋歩行(トレンデレンブルグ歩行) | 片脚立位で遊脚側の骨盤が下がる |
| 中殿筋(代償が働いた場合) | デュシェンヌ徴候(デュシェンヌ跛行) | 体幹を支持脚側へ傾けて重心を股関節の上に移す |
| 大殿筋 | 大殿筋歩行 | 立脚期に体幹を後方へ反らす |
| 大腿四頭筋 | 膝折れ・大腿四頭筋歩行 | 手で大腿を押さえて膝を支える |
| 前脛骨筋 | 下垂足・鶏歩 | 遊脚相で足先が下垂し、膝を高く上げる |
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