学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 生理学 ▸ §9 内分泌 / QJ30A088
理由で解く 柔道整復師
高血圧と高血糖をそろって起こすのはコルチゾールの過剰、すなわちクッシング症候群です。「糖新生を増やして血糖を上げ、Na⁺ を溜めて血圧を上げる」と 2 つの症状が 1 本の線でつながります。
コルチゾールは副腎皮質束状層から分泌される糖質コルチコイドで、肝での糖新生を促進し、末梢組織でのグルコース取り込みを抑える(インスリン拮抗作用)ため血糖が上がります。血圧については、血管平滑筋のカテコラミンに対する反応性を高めるうえ、濃度が高いと鉱質コルチコイド受容体にも作用して腎での Na⁺ 再吸収と K⁺ 排泄を促し、循環血漿量を増やします。この 2 つが重なるため、過剰症では高血糖と高血圧が同時に現れます。さらに蛋白異化による筋萎縮や皮膚の菲薄化、脂肪の再分布による中心性肥満・満月様顔貌・水牛様肩、骨吸収亢進による骨粗鬆症、免疫抑制も特徴で、施術の際は骨のもろさと皮膚の脆弱性に配慮した力加減が必要です。
| ホルモン | 過剰症での血糖 | 過剰症での血圧 | 代表的な随伴所見 |
|---|---|---|---|
| コルチゾール | 上昇 | 上昇 | 中心性肥満、満月様顔貌、水牛様肩、皮膚線条、骨粗鬆症、易感染性(クッシング症候群) |
| アルドステロン | ほぼ変化なし | 上昇 | 低 K⁺ 血症、代謝性アルカローシス(原発性アルドステロン症) |
| 成長ホルモン | 上昇(耐糖能低下) | 上昇しやすい | 先端巨大症(成人)・巨人症(小児)、手足や下顎の肥大 |
| インスリン | 低下(低血糖) | 大きな変化なし | 冷汗、動悸、意識障害などの低血糖症状 |
| オキシトシン | 変化なし | 変化なし | 子宮収縮・射乳。過剰症として問われることはまれ |
| プロラクチン | 変化なし | 変化なし | 乳汁漏出、無月経、男性の性腺機能低下 |
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