学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §9 内分泌 / QJ29A097

理由で解く 柔道整復師

QJ29A097 生理学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問97
問題
内分泌腺で貯蔵されないのはどれか。
選択肢
1 カルシトニン
2 グルカゴン
3 コルチゾール
4 成長ホルモン
解答
正解3(コルチゾール)
解説

この設問は「貯蔵されないもの」を選ぶ形式です。答えはコルチゾールで、ステロイドホルモンは脂溶性のため細胞内に溜めておけず、必要になったときに材料から合成してただちに放出されます。

ホルモンを貯蔵できるかどうかは、水に溶けるか油に溶けるかで決まります。ペプチド・蛋白質ホルモンは水溶性なので、あらかじめ合成して分泌顆粒という膜の袋に詰めておくことができ、刺激が来た瞬間に開口分泌で放出できます。だから応答が速いのです。ところがステロイドホルモンは脂溶性で、細胞膜を自由に通り抜けてしまうため、袋に入れて保管しておくことができません。そこで副腎皮質細胞は原料であるコレステロールを脂肪滴として蓄えておき、ACTHの刺激を受けてから一連の酵素反応でコルチゾールを合成し、できたそばから拡散で細胞外へ出す、という方式をとります。応答は分単位とやや遅くなります。「ペプチドは作り置き、ステロイドは注文を受けてから調理」というイメージで覚えると確実です。

✓ 3. これが答え(貯蔵されない)
コルチゾール
副腎皮質束状層でコレステロールから合成されるステロイドホルモンです。脂溶性で細胞膜を自由に通過してしまうため顆粒に貯蔵できず、刺激を受けてから合成して直ちに放出されます。
✗ 1. 当てはまらない(貯蔵される)
カルシトニン
甲状腺の傍濾胞細胞(C細胞)から分泌されるペプチドホルモンです。分泌顆粒に貯蔵されており、血中カルシウム濃度の上昇に応じて放出されます。
✗ 2. 当てはまらない(貯蔵される)
グルカゴン
膵島のA(α)細胞から分泌されるペプチドホルモンで、細胞内の分泌顆粒に蓄えられています。血糖が下がると開口分泌によって速やかに放出されます。
✗ 4. 当てはまらない(貯蔵される)
成長ホルモン
下垂体前葉の細胞でつくられるペプチドホルモンで、分泌顆粒に大量に貯蔵されています。睡眠時や運動時などに放出量が増え、拍動性の分泌パターンを示します。
ポイント
  • この設問は「貯蔵されないもの」を選ぶ形式。ステロイドホルモンを探すのが最短ルート。
  • ペプチド・蛋白質ホルモンは水溶性で分泌顆粒に貯蔵でき、刺激で即座に開口分泌される(応答が速い)。
  • ステロイドホルモンは脂溶性で細胞膜を通過してしまうため貯蔵できず、必要時に合成して拡散で放出(応答はやや遅い)。
  • 副腎皮質は原料のコレステロールを脂肪滴として蓄え、ACTH刺激後に合成する。
  • 甲状腺ホルモンは例外で、コロイド中のサイログロブリンに結合した形で濾胞に貯蔵される。
比較表
ホルモン化学的性質貯蔵分泌部位
コルチゾールステロイドされない(合成後すぐ放出)副腎皮質束状層
カルシトニンペプチドされる(分泌顆粒)甲状腺傍濾胞細胞(C細胞)
グルカゴンペプチドされる(分泌顆粒)膵島A(α)細胞
成長ホルモンペプチドされる(分泌顆粒)下垂体前葉
(参考)甲状腺ホルモン脂溶性される(濾胞コロイド中)甲状腺濾胞
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