学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §10 生殖 / QJ29A096

理由で解く 柔道整復師

QJ29A096 生理学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問96
問題
分娩を促進するのはどれか。
選択肢
1 オキシトシン
2 プロラクチン
3 プロゲステロン
4 ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン
解答
正解1(オキシトシン)
解説

分娩を促進するのは下垂体後葉から分泌されるオキシトシンです。子宮平滑筋を強く収縮させ、陣痛を進めます。

オキシトシンは視床下部の神経細胞でつくられ、軸索を通って下垂体後葉に運ばれ、そこから放出されます。妊娠末期になると子宮筋のオキシトシン受容体が急増するため、同じ量のホルモンでも収縮を起こしやすくなります。さらに、児頭が子宮頸管を押し広げるとその刺激が視床下部へ伝わってオキシトシン分泌が増え、収縮がいっそう強まる、という正のフィードバック(ファーガソン反射)が働き、分娩が一気に進みます。ホルモンの多くは負のフィードバックで安定を保ちますが、分娩と射乳は目的を達したところで終わる仕組みなので、正のフィードバックが例外的に使われます。オキシトシンは授乳時にも乳腺の筋上皮細胞を収縮させて乳汁を押し出します(射乳反射)。「オキシトシン=収縮させるホルモン」と覚えると、子宮と乳腺の両方の働きが1つにまとまります。

✓ 1. これが答え
オキシトシン
下垂体後葉から放出され、子宮平滑筋を収縮させて陣痛を促進します。子宮頸管の伸展刺激が分泌をさらに増やす正のフィードバック(ファーガソン反射)により、分娩が進行します。
✗ 2. 当てはまらない
プロラクチン
下垂体前葉から分泌され、乳腺で乳汁の産生を促すホルモンです。働くのは主に分娩後の授乳期であり、子宮を収縮させて分娩を進める作用はありません。
✗ 3. 当てはまらない
プロゲステロン
黄体や胎盤から分泌され、子宮内膜を維持するとともに子宮筋の収縮を抑えて妊娠を継続させます。分娩に対しては促進ではなく抑制の向きに働くホルモンです。
✗ 4. 当てはまらない
ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン
hCGは胎盤の絨毛から分泌され、妊娠黄体を維持してプロゲステロンの分泌を続けさせます。妊娠初期に高値となり妊娠反応検査に用いられますが、分娩を促す作用はありません。
ポイント
  • オキシトシンは視床下部で産生され下垂体後葉から放出される。子宮収縮(陣痛)と射乳反射を起こす。
  • 妊娠末期に子宮筋のオキシトシン受容体が増え、収縮が起こりやすくなる。
  • 子宮頸管の伸展→オキシトシン分泌増加→さらに強い収縮、という正のフィードバック(ファーガソン反射)。
  • プロゲステロンは妊娠維持と子宮収縮の抑制。オキシトシンとは逆向き。
  • プロラクチンは乳汁産生、オキシトシンは乳汁の射出。役割を分けて覚える。
比較表
ホルモン分泌部位妊娠・分娩での役割
オキシトシン下垂体後葉子宮収縮=分娩促進、射乳反射
プロゲステロン黄体、胎盤妊娠維持、子宮収縮の抑制
プロラクチン下垂体前葉乳汁の産生(分娩後)
ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)胎盤絨毛妊娠黄体の維持。妊娠初期に高値
エストロゲン卵巣、胎盤子宮筋の発育、オキシトシン受容体の増加
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。