学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §9 内分泌 / QJ30A089

理由で解く 柔道整復師

QJ30A089 生理学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問89
問題
血漿K+濃度を下げるホルモンはどれか。
選択肢
1 アンドロゲン
2 アドレナリン
3 アルドステロン
4 心房性ナトリウム利尿ペプチド
解答
正解3(アルドステロン)
解説

腎臓から K⁺ を捨てさせて血漿 K⁺ 濃度を下げるのはアルドステロンです。「Na⁺ を取り込み、K⁺ と H⁺ を捨てる」という一文で作用がすべて説明できます。

アルドステロンは副腎皮質球状層から分泌される鉱質コルチコイドで、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の最終産物です。循環血漿量の減少や血圧低下、アンジオテンシン II、そして高 K⁺ 血症そのものが分泌刺激になります。遠位尿細管から集合管の主細胞に働いて上皮性 Na⁺ チャネルと Na⁺/K⁺-ATPase を増やし、Na⁺ と水を再吸収する一方で K⁺ を管腔へ分泌し、間在細胞からは H⁺ を排泄させます。したがって過剰(原発性アルドステロン症)では高血圧・低 K⁺ 血症・代謝性アルカローシスとなり、不足(アジソン病)では低 Na⁺ 血症・高 K⁺ 血症になります。この対称性を押さえておくと、K⁺ が絡む問題はほぼ機械的に解けます。

✓ 3. 正しい
アルドステロン
集合管で Na⁺ 再吸収と K⁺ 分泌を促進するため、血漿 K⁺ 濃度は低下します。高 K⁺ 血症が分泌刺激になっていることからも、K⁺ を下げる方向のホルモンだと確認できます。
✗ 1. 誤り
アンドロゲン
男性化作用と蛋白同化作用をもつ性ステロイドで、電解質バランスを調節する働きはありません。
✗ 2. 該当しない
アドレナリン
副腎髄質ホルモンとして問われる代表作用は心拍数・心収縮力の増加、血糖上昇、気管支拡張です。アドレナリンにも骨格筋のβ₂受容体を介して K⁺ を細胞内へ移す作用があり、血漿 K⁺ を一過性に下げうることは事実です。ただし本問が問うのは血漿 K⁺ 濃度を持続的に調節するホルモンで、腎集合管で K⁺ 排泄を促すアルドステロンが答えとして受理されています。
✗ 4. 誤り
心房性ナトリウム利尿ペプチド
心房が伸展されると分泌され、Na⁺ と水の排泄を促して血圧・循環血漿量を下げます。レニン・アルドステロンの分泌を抑えるため、K⁺ については下げる方向ではなく保持する方向に働きます。
ポイント
  • アルドステロン=「Na⁺ を取り、K⁺ と H⁺ を捨てる」。だから血漿 K⁺ は下がる。
  • 分泌刺激は循環血漿量低下・血圧低下・アンジオテンシン II・高 K⁺ 血症。
  • 過剰(原発性アルドステロン症)=高血圧・低 K⁺ 血症・代謝性アルカローシス。
  • 不足(アジソン病)=低 Na⁺ 血症・高 K⁺ 血症・低血圧・色素沈着。
  • ANP はアルドステロンと逆向き(Na⁺ 排泄・血圧低下・レニン抑制)。
比較表
ホルモン分泌部位主作用血漿 K⁺ への向き
アルドステロン副腎皮質球状層Na⁺ 再吸収・K⁺ 分泌低下
アンドロゲン副腎皮質網状層・性腺男性化・蛋白同化影響なし
アドレナリン副腎髄質心機能亢進・血糖上昇・気管支拡張一過性に細胞内へ移動させる
心房性ナトリウム利尿ペプチド心房Na⁺ 利尿・血圧低下・レニン抑制低下させない
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