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理由で解く 柔道整復師

QJ30A065 解剖学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問65
問題
腎臓を包む最内側の膜はどれか。
選択肢
1 腹膜
2 腎筋膜
3 脂肪被膜
4 線維被膜
解答
正解4(線維被膜)
解説

腎臓を直接包んでいるのは線維被膜です。その外側に脂肪被膜、さらに外側に腎筋膜が重なり、3層で腎を守り位置を保っています。

腎は後腹膜器官で、腹膜は前面を覆うだけで包み込んではいません。腎実質に密着する線維被膜は薄く強靱な結合組織の膜で、健常な腎では容易に剥がすことができます。その外側を脂肪被膜が厚く取り囲んで衝撃を吸収し、さらに外側を腎筋膜(ゲロタ筋膜)が前葉と後葉に分かれて副腎ごと包み、外側縁で癒合して腎を後腹壁に固定します。この3層構造のおかげで、腎は呼吸に伴ってわずかに上下しながらも一定の位置を保てます。急激な体重減少などで脂肪被膜が薄くなると支えが失われ、立位で腎が下がる遊走腎の原因になります。「内から外へ、線維・脂肪・筋膜」と順に唱えて位置関係を固めておきましょう。

✓ 4. 正しい
線維被膜
腎実質に直接接する最内層の被膜で、線維嚢とも呼ばれます。薄く強靱な結合組織からなり、健常な腎では実質から容易に剥離できます。
✗ 1. 誤り
腹膜
腎の前面を覆う漿膜ですが、腎を包む被膜には数えません。腎が後腹膜器官であることを示す位置関係です。
✗ 2. 誤り
腎筋膜
3層の中でもっとも外側にある膜(ゲロタ筋膜)で、脂肪被膜の外を前後から包み、腎と副腎を後腹壁に固定します。最内側ではありません。
✗ 3. 誤り
脂肪被膜
線維被膜の外側で腎を厚く取り巻く脂肪組織で、クッションと保温の役割を担います。線維被膜より外側にあるため最内側にはあたりません。
ポイント
  • 内側から順に、線維被膜→脂肪被膜→腎筋膜。腹膜は前面を覆うだけ。
  • 腎は後腹膜器官。後面を第12肋骨が横切り、右腎は肝臓に押されて左腎よりやや低い。
  • 腎門では前から順に腎静脈・腎動脈・尿管が並ぶ。
  • 脂肪被膜が急に減ると支持が弱まり、遊走腎の一因になる。
  • 腎筋膜は副腎も一緒に包むが、腎との間に隔壁があるため、腎が下垂しても副腎は位置を保つ。
比較表
層(内→外)名称役割
1線維被膜腎実質に密着して包む
2脂肪被膜衝撃の吸収と保温、位置の保持
3腎筋膜(ゲロタ筋膜)腎と副腎を後腹壁に固定する
(前面のみ)腹膜腎の前面を覆う漿膜。被膜ではない
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