学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §30 下腿三頭筋肉ばなれの診察 / QJ30A032

理由で解く 柔道整復師

QJ30A032 必修問題

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問32
問題
下腿三頭筋肉離れの発生肢位の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 膝関節伸展-足関節背屈
2 膝関節伸展-足関節底屈
3 膝関節屈曲-足関節背屈
4 膝関節屈曲-足関節底屈
解答
正解1(膝関節伸展-足関節背屈)
解説

下腿三頭筋の肉離れは、膝関節伸展位で足関節が背屈を強制されたときに起こります。筋が最も引き伸ばされる肢位だからです。

腓腹筋は大腿骨の内側顆・外側顆から起こり、膝関節と足関節の2つをまたぐ二関節筋です。膝を伸ばせば起始側が引き離され、足を背屈すれば停止側(踵骨)が引き離されるので、膝伸展+足背屈という組み合わせで筋腱移行部の張力が最大になります。この状態で急な踏み込みや切り返し、ジャンプの踏み切りが加わると腓腹筋内側頭の筋腱移行部が損傷しやすく、いわゆるテニスレッグとなります。逆に膝屈曲位や足底屈位では筋が緩むため、この部位の肉離れは起こりにくくなります。受傷直後は疼痛部位の確認とともにトンプソンテストでアキレス腱断裂との鑑別を行い、圧迫・冷却・挙上と足底屈位での安静を図ります。

✓ 1. 正しい
膝関節伸展-足関節背屈
膝伸展で起始側、足背屈で停止側が引き離され、腓腹筋の長さが最大になります。この最も伸ばされた状態で急激な収縮や外力が加わるため、筋腱移行部が損傷します。
✗ 2. 誤り
膝関節伸展-足関節底屈
足底屈では停止側が近づいて筋が緩みます。伸張ストレスがかからないため、この肢位では肉離れは起こりにくくなります。
✗ 3. 誤り
膝関節屈曲-足関節背屈
膝屈曲では起始側が近づいて腓腹筋が緩みます。足背屈だけでは腓腹筋への伸張は不十分です(この条件で主に伸ばされるのは単関節筋のヒラメ筋です)。
✗ 4. 誤り
膝関節屈曲-足関節底屈
起始側・停止側の両方が近づき、腓腹筋が最も緩む肢位です。肉離れの発生肢位とは正反対になります。
ポイント
  • 腓腹筋は膝と足関節をまたぐ二関節筋。膝伸展+足背屈で最大に伸張される。
  • 好発部位は腓腹筋内側頭の筋腱移行部(テニスレッグ)。中年以降のスポーツ再開時に多い。
  • ヒラメ筋は単関節筋なので、膝屈曲位でも足背屈で伸張される。ストレッチの使い分けに直結する。
  • 受傷直後はトンプソンテストでアキレス腱断裂と鑑別する。
  • 初期は圧迫・冷却・挙上と足底屈位での安静。踵を少し高くすると筋の緊張を減らせる。
比較表
膝関節足関節腓腹筋の長さ肉離れの起こりやすさ
伸展背屈最大に伸張最も起こりやすい(正答の肢位)
伸展底屈停止側が緩む起こりにくい
屈曲背屈起始側が緩む(ヒラメ筋は伸張)起こりにくい
屈曲底屈最も短縮ほぼ起こらない
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