学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 必修問題 ▸ §30 下腿三頭筋肉ばなれの診察 / QJ31A031
理由で解く 柔道整復師

下腿三頭筋の肉離れは腓腹筋内側頭の筋腱移行部(下腿後面内側で筋腹の遠位寄り)に好発する。図では2がこれにあたる。
いわゆるテニスレッグで、中年以降のスポーツ愛好者が、膝を伸ばしたまま足関節を背屈させた瞬間(踏み込み、ダッシュ、切り返し)に受傷する。腓腹筋は膝関節と足関節をまたぐ二関節筋なので、膝伸展+足背屈で最も強く引き伸ばされ、そこへ急激な収縮が重なると、伸張ストレスが集中する筋腱移行部が破綻する。内側頭は外側頭より筋量が大きく発揮する力も強いため、内側に起こりやすい。「後ろからボールをぶつけられた」ような衝撃と鋭い痛み、その部の圧痛と陥凹、つま先立ち困難、数日後に足関節周囲へ下降する皮下出血が典型像である。最も重要な鑑別はアキレス腱断裂で、トンプソン(シモンズ)テスト、すなわち腹臥位で膝を軽く屈曲させ下腿三頭筋の筋腹を握って圧迫し、足関節が底屈するかをみる検査を行う。圧迫しても底屈が起こらない場合を陽性とし、陽性であればアキレス腱断裂を強く疑って医療機関へ紹介する。肉離れでは腱の連続性が保たれているため底屈が起こり、陰性となる。肉離れであれば初期はRICE処置と足関節軽度底屈位での固定・免荷から始め、疼痛の消退に合わせて可動域訓練、等尺性収縮、荷重、ストレッチと段階的に負荷を上げ、再受傷を防ぐ。
| 下腿三頭筋の肉離れ(テニスレッグ) | アキレス腱断裂 | |
|---|---|---|
| 損傷部位 | 腓腹筋内側頭の筋腱移行部 | アキレス腱実質(踵骨付着部の2〜6cm近位) |
| 陥凹の位置 | 下腿後面内側、筋腹の遠位 | 踵の上方、腱の走行上 |
| トンプソンテスト | 陰性(筋腹を握ると足関節が底屈する) | 陽性(筋腹を握っても底屈しない) |
| つま先立ち | 痛みで困難だが可能なことがある | 不能 |
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