学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §27 膝関節十字靱帯損傷の診察 / QJ30A030

理由で解く 柔道整復師

QJ30A030 必修問題

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問30
問題
前十字靱帯損傷の検査法でないのはどれか。
選択肢
1 ピボットシフトテスト
2 ジャークテスト
3 アプライテスト
4 Nテスト
解答
正解3(アプライテスト)
解説

ピボットシフトテスト・ジャークテスト・Nテストはいずれも前十字靱帯損傷による回旋不安定性をみる検査です。アプライテストは半月板などを評価する検査なので、これが答えになります。

前十字靱帯が破綻すると、膝が伸展位に近いところで脛骨が前外方へずれ、屈曲していく途中で腸脛靱帯の働きにより急に整復される「ガクッ」という現象(ピボットシフト現象)が起こります。この動きを伸展位から屈曲していく過程で捉えるのがピボットシフトテスト、屈曲位から伸展していく過程で捉えるのがジャークテストやNテストで、着眼点は共通しています。一方アプライテストは腹臥位で膝を90度屈曲し、下腿を軸圧しながら回旋すると痛む場合は半月板、牽引しながら回旋すると痛む場合は側副靱帯など関節包外の障害、と鑑別する検査です。回旋テストは疼痛と防御性収縮があると再現しにくいので、急性期は無理に行わず所見を記録して医師の評価につなげます。

✓ 3. これが答え(前十字靱帯の検査ではない)
アプライテスト
アプライテストは圧迫と牽引を使い分けて半月板損傷と側副靱帯など関節包外の障害を鑑別する検査です。前十字靱帯の評価には用いないため、設問の条件に当てはまります。
✗ 1. 前十字靱帯の検査(答えではない)
ピボットシフトテスト
伸展位から屈曲していく過程で脛骨の前外方への亜脱臼が整復される現象をみる、前十字靱帯損傷の回旋不安定性テストです。
✗ 2. 前十字靱帯の検査(答えではない)
ジャークテスト
屈曲位から伸展していく過程で亜脱臼が生じる瞬間を捉える検査で、同じく前十字靱帯損傷の回旋不安定性をみます。
✗ 4. 前十字靱帯の検査(答えではない)
Nテスト
下腿に外反と内旋を加えながら屈曲位から伸展していき、亜脱臼の出現を確認する検査で、前十字靱帯損傷の評価に用います。
ポイント
  • ピボットシフト・ジャーク・Nテストは、いずれも脛骨の前外方亜脱臼と整復(ピボットシフト現象)を捉える検査。
  • 違いは操作の向き。ピボットシフトは伸展→屈曲、ジャーク/Nテストは屈曲→伸展。
  • アプライテストは腹臥位・膝90度屈曲で、圧迫回旋=半月板、牽引回旋=側副靱帯などと鑑別する。
  • 回旋テストは疼痛・防御性収縮があると偽陰性になりやすい。急性期はラックマンテストを優先する。
  • 急性期は反復操作を避け、所見を記録して医師の画像評価につなげる。
比較表
検査名評価対象操作の要点
ピボットシフトテスト前十字靱帯(回旋不安定性)外反・内旋を加えつつ伸展位から屈曲していく
ジャークテスト前十字靱帯(回旋不安定性)屈曲位から外反を加えつつ伸展していく
Nテスト前十字靱帯(回旋不安定性)外反・内旋を加え屈曲位から伸展していく
アプライテスト半月板/側副靱帯など関節包外組織腹臥位・膝90度屈曲で圧迫回旋と牽引回旋を比較
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