学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §25 大腿部打撲・肉ばなれ、大腿四頭筋、ハムストリングスの診察 / QJ30A027

理由で解く 柔道整復師

QJ30A027 必修問題

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問27
問題
SLR テストで陽性になるのはどれか。
選択肢
1 大腿部前面の打撲
2 大腿四頭筋の肉離れ
3 下腿三頭筋の肉離れ
4 大腿二頭筋の肉離れ
解答
正解4(大腿二頭筋の肉離れ)
解説

SLRテストは膝を伸ばしたまま股関節を屈曲させ、大腿後面のハムストリングと坐骨神経を伸張する検査です。大腿二頭筋の肉離れでは疼痛が誘発され陽性になります。

背臥位で膝関節伸展位を保ったまま下肢を挙上すると、坐骨結節から起こるハムストリング(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)が引き伸ばされます。損傷した筋が伸張されれば痛みが出るため、大腿後面の肉離れでは挙上角度が制限されて陽性となります。もともとSLRは腰椎椎間板ヘルニアによる神経根症状をみる検査ですが、筋・腱の伸張痛でも陽性を示すため、圧痛部位・皮下出血・抵抗運動時の疼痛といった所見と合わせて判断します。大腿前面の障害はこの肢位では伸張されないので、腹臥位で膝を屈曲させる方法(尻上がり現象)で評価します。

✓ 4. 正しい
大腿二頭筋の肉離れ
大腿二頭筋はハムストリングの一つで、膝伸展位のまま股関節を屈曲させると最も引き伸ばされます。損傷部が伸張されるため疼痛で挙上が制限され、SLRが陽性になります。
✗ 1. 誤り
大腿部前面の打撲
大腿前面はSLRの肢位では伸張されません。大腿四頭筋の柔軟性低下は腹臥位での膝屈曲(踵殿距離)や尻上がり現象で評価します。
✗ 2. 誤り
大腿四頭筋の肉離れ
大腿四頭筋が伸張されるのは股関節伸展+膝関節屈曲の肢位です。SLRの肢位では逆に緩むため、陽性にはなりません。
✗ 3. 誤り
下腿三頭筋の肉離れ
下腿三頭筋を伸ばすには足関節の背屈が必要です。SLRだけでは足関節が底屈位のままなので十分に伸張されません。足背屈を加えれば疼痛を誘発できます。
ポイント
  • SLR=背臥位・膝伸展位のまま股関節屈曲。伸張されるのはハムストリングと坐骨神経。
  • 大腿二頭筋(ハムストリング)の肉離れで陽性。挙上角度と左右差を記録する。
  • 大腿四頭筋は「股伸展+膝屈曲」で伸張。評価は腹臥位(尻上がり現象)。
  • 下腿三頭筋は足背屈を加えないと伸張されない。SLR単独では判定できない。
  • SLRは椎間板ヘルニアの神経根症状の検査でもあるため、しびれ・放散痛の有無も確認する。
比較表
損傷部位伸張される肢位用いる検査
大腿二頭筋(ハムストリング)股関節屈曲+膝関節伸展SLRテスト
大腿四頭筋(特に大腿直筋)股関節伸展+膝関節屈曲腹臥位での膝屈曲・尻上がり現象
下腿三頭筋(腓腹筋)膝関節伸展+足関節背屈膝伸展位での足背屈、断裂ならトンプソンテスト
大腿前面の打撲(伸張ではなく圧痛・可動域制限で評価)膝屈曲角度(踵殿距離)の左右差
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