学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §24 上腕二頭筋長頭腱損傷の診察 / QJ30A026

理由で解く 柔道整復師

QJ30A026 必修問題

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問26
問題
スピードテストで誤っているのはどれか。
選択肢
1 結節間溝部の疼痛を確認する。
2 患者に肩屈曲を指示する。
3 肩部と前腕遠位部を把持する。
4 前腕を回内位で行う。
解答
正解4(前腕を回内位で行う。)
解説

スピードテストは前腕回外位で行います。したがって「前腕を回内位で行う」が正しくない記述であり、これが設問の答えです。

上腕二頭筋長頭腱は結節間溝を通って関節内へ入り、上腕二頭筋は肘屈曲だけでなく前腕回外にも働きます。そのため肘を伸展し前腕を回外した肢位が長頭腱に最も張力のかかる条件になります。この肢位で患者に肩関節の屈曲(前方挙上)を指示し、検者は一方の手で前腕遠位部に抵抗を加え、もう一方の手で結節間溝部に触れて疼痛が出るかを確かめます。前腕を回内位にすると上腕二頭筋の緊張が緩み、長頭腱への負荷が減って陽性所見を拾えなくなります。判定にあたっては結節間溝部の圧痛やヤーガソンテストの結果も合わせ、疼痛が強い場合は反復せず経過と所見を記録します。

✓ 4. これが答え(誤っている)
前腕を回内位で行う。
正しくは前腕回外位です。回内位では上腕二頭筋の張力が落ちて長頭腱にストレスがかからず、本来陽性の症例でも疼痛が誘発されません。設問の「誤っているもの」に該当します。
✗ 1. 正しい手順(答えではない)
結節間溝部の疼痛を確認する。
長頭腱が通るのは結節間溝であり、そこに一致した疼痛が出るかどうかが判定の要です。手順として正しい記述です。
✗ 2. 正しい手順(答えではない)
患者に肩屈曲を指示する。
肩関節を屈曲(前方挙上)させ、それに抵抗を加えることで長頭腱に張力をかけます。手順として正しい記述です。
✗ 3. 正しい手順(答えではない)
肩部と前腕遠位部を把持する。
一方の手で肩部(結節間溝部)に触れて疼痛の部位を確かめ、もう一方の手で前腕遠位部を把持して抵抗を加えます。手順として正しい記述です。
ポイント
  • スピードテスト=肘伸展・前腕回外位で肩屈曲に抵抗 → 結節間溝部の疼痛で陽性。
  • 回外位で行う理由は、上腕二頭筋が回外筋でもあり、その肢位で長頭腱の張力が最大になるため。
  • 疼痛の部位は結節間溝に一致するかを必ず触知して確認する。
  • ヤーガソンテスト(肘屈曲+回外に抵抗)と組み合わせると判断の精度が上がる。
  • 強い疼痛があれば反復せず、所見を記録して経過観察・医師への紹介を検討する。
比較表
項目スピードテストヤーガソンテスト
肘の肢位伸展位屈曲90度
前腕の肢位回外位回内位から回外させる
指示する運動肩関節屈曲(前方挙上)肘屈曲+前腕回外
抵抗の位置前腕遠位部手関節部
陽性所見結節間溝部の疼痛結節間溝部の疼痛(時に弾発)
評価対象上腕二頭筋長頭腱上腕二頭筋長頭腱・横上腕靱帯
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