学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §24 上腕二頭筋長頭腱損傷の診察 / QJ28A021

理由で解く 柔道整復師

QJ28A021 必修問題

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問21
問題
ヤーガソンテストで抵抗を加える時の患者への動作指示はどれか。
選択肢
1 肘の屈曲
2 肘の伸展
3 前腕の回内
4 前腕の回外
解答
正解4(前腕の回外)
解説

ヤーガソンテストは上腕二頭筋長頭腱の障害をみる検査で、肘90度屈曲・前腕回内位から患者に「前腕を回外してください」と指示し、そこへ検者が抵抗を加える。

上腕二頭筋の作用は肘の屈曲と前腕の回外の2つで、その長頭腱は上腕骨の結節間溝を通り、関節上結節へ付着する。回外に抵抗を加えると長頭腱が強く緊張し、結節間溝のなかで腱と腱鞘がこすれ合う。このとき結節間溝部に疼痛が誘発されれば陽性で、上腕二頭筋長頭腱炎や腱の不安定性(亜脱臼)を疑う。抵抗をかける方向が「回外」であることが要点で、肘屈曲に抵抗するだけでは腱が結節間溝内で受ける負荷は限定的になる。陽性なら結節間溝部の圧痛やスピードテストも併せて確認し、患部の安静と肩の運動指導につなげる。

✓ 4. 正しい
前腕の回外
上腕二頭筋の主要な作用方向であり、ここに抵抗を加えると長頭腱が最も緊張する。結節間溝部の疼痛で陽性と判定するため、指示は「前腕の回外」が正しい。
✗ 1. 誤り
肘の屈曲
肘屈曲も上腕二頭筋の作用だが、上腕筋や腕橈骨筋も同時に働くため長頭腱への選択的な負荷が弱い。ヤーガソンテストの指示としては用いない。
✗ 2. 誤り
肘の伸展
肘伸展の主動筋は上腕三頭筋で、上腕二頭筋はむしろ拮抗して弛緩する。長頭腱は緊張せず、検査として成立しない。
✗ 3. 誤り
前腕の回内
回内は円回内筋・方形回内筋の働きで、上腕二頭筋は関与しない。開始肢位が回内位であることと、抵抗をかける方向を取り違えないよう注意する。
ポイント
  • ヤーガソンテスト=肘90度屈曲・前腕回内位から「前腕の回外」に抵抗を加える。
  • 陽性所見は結節間溝部の疼痛。上腕二頭筋長頭腱炎・長頭腱の不安定性を疑う。
  • 上腕二頭筋の作用は「肘屈曲+前腕回外」。抵抗はこの作用方向にかけるのが原則。
  • 回内は円回内筋・方形回内筋、肘伸展は上腕三頭筋の働きで、いずれも長頭腱を緊張させない。
  • 同じ長頭腱をみる検査にスピードテスト(肘伸展・前腕回外位で肩屈曲に抵抗)がある。
比較表
検査・手技開始肢位患者への指示(抵抗方向)みているもの
ヤーガソンテスト肘90度屈曲・前腕回内位前腕の回外上腕二頭筋長頭腱の炎症・不安定性
スピードテスト肘伸展・前腕回外位肩関節の屈曲(挙上)上腕二頭筋長頭腱の障害
肘屈曲に抵抗(徒手筋力検査)肘屈曲位・前腕回外位肘の屈曲上腕二頭筋そのものの筋力
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。