学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §24 上腕二頭筋長頭腱損傷の診察 / QJ25A030

理由で解く 柔道整復師

QJ25A030 必修問題

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問30
問題
上腕二頭筋長頭腱炎のテスト法はどれか。
選択肢
1 モーリーテスト
2 アドソンテスト
3 スピードテスト
4 ライトテスト
解答
正解3(スピードテスト)
解説

スピードテストです。肘伸展・前腕回外位で肩関節屈曲に抵抗を加え、結節間溝部に痛みが出れば上腕二頭筋長頭腱炎を疑います。

上腕二頭筋長頭腱は肩甲骨の関節上結節から起こり、関節内を通って上腕骨の結節間溝を滑走するという特殊な走行をもちます。この溝の中で腱が繰り返し擦れることで炎症が生じ、結節間溝部の限局した圧痛と、二頭筋を収縮させたときの同部の疼痛が現れます。スピードテストは肘伸展・前腕回外位で肩関節を屈曲させ、術者が抵抗を加えて長頭腱を緊張させる方法で、同じ目的のヤーガソンテストは肘屈曲90度から前腕回外に抵抗を加えます。残る3つはいずれも胸郭出口症候群の誘発テストで、橈骨動脈拍動の減弱や上肢のしびれをみるものです。徒手検査は「どこを緊張させて、何を再現するのか」でまとめて覚えると混同しません。

✓ 3. 該当する
スピードテスト
肘伸展・前腕回外位で肩関節を屈曲させ、これに抵抗を加えます。長頭腱が結節間溝内で緊張し、同部に疼痛が誘発されれば陽性で、上腕二頭筋長頭腱炎を疑います。検査前に結節間溝(肩峰前方、上腕を軽く内旋させると触れやすい)の圧痛点も確認しておくと精度が上がります。
✗ 1. 該当しない
モーリーテスト
胸郭出口症候群のテストです。鎖骨上窩で腕神経叢を圧迫し、上肢への放散痛やしびれが誘発されれば陽性となります。対象は腱ではなく神経です。
✗ 2. 該当しない
アドソンテスト
胸郭出口症候群のうち斜角筋症候群を対象とするテストです。頸部を伸展・患側へ回旋させて深呼吸させ、橈骨動脈拍動の減弱や症状の再現をみます。
✗ 4. 該当しない
ライトテスト
胸郭出口症候群のうち過外転症候群を対象とするテストです。肩関節を90度外転・外旋位に保持し、橈骨動脈拍動の減弱や上肢症状の出現をみます。
ポイント
  • スピードテスト=肘伸展・前腕回外位で肩屈曲に抵抗。結節間溝部の疼痛で上腕二頭筋長頭腱炎を疑う。
  • ヤーガソンテストも長頭腱の検査。肘屈曲90度から前腕回外に抵抗を加える。
  • モーリー・アドソン・ライト(+エデン、ルーステスト)は胸郭出口症候群のテスト群。
  • 長頭腱は関節上結節から起こり関節内を通って結節間溝を走る。この解剖が炎症・断裂の起こりやすさを説明する。
  • 圧痛点は結節間溝。長頭腱断裂では上腕前面に筋腹が盛り上がるポパイ徴候が出るので、腱炎との鑑別点として押さえる。
比較表
テスト手技陽性所見疑う病態
スピードテスト肘伸展・前腕回外位で肩屈曲に抵抗結節間溝部の疼痛上腕二頭筋長頭腱炎
ヤーガソンテスト肘屈曲90度から前腕回外に抵抗結節間溝部の疼痛上腕二頭筋長頭腱炎
モーリーテスト鎖骨上窩の腕神経叢を圧迫上肢への放散痛・しびれ胸郭出口症候群
アドソンテスト頸部伸展・患側回旋+深呼吸橈骨動脈拍動の減弱胸郭出口症候群(斜角筋症候群)
ライトテスト肩90度外転・外旋位で保持橈骨動脈拍動の減弱胸郭出口症候群(過外転症候群)
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。