学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §24 上腕二頭筋長頭腱損傷の診察 / QJ31A025

理由で解く 柔道整復師

QJ31A025 必修問題

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問25
問題
スラップ損傷で関節唇の断裂部位はどれか。
選択肢
1 上方
2 下方
3 前方
4 後方
解答
正解1(上方)
解説

スラップ(SLAP)損傷は、肩関節の上方関節唇が上腕二頭筋長頭腱付着部を含めて前後方向に断裂したものです。断裂部位は上方が答えになります。

SLAPはSuperior Labrum Anterior to Posterior の略で、名称そのものが「上方関節唇の、前方から後方に及ぶ損傷」を表しています。上腕二頭筋長頭腱は関節上結節と上方関節唇に付着するため、投球の後期コッキングからフォロースルーで腱に強い牽引力が加わると、付着部ごと関節唇が剥がれます。転倒して手をついた際の突き上げや、挙上位での牽引でも生じます。症状は投球時痛、肩深部の痛み、引っかかり感やクリックで、肩関節の不安定性が前面に出ないため見逃されやすい損傷です。

✓ 1. 正しい
上方
上方関節唇が、上腕二頭筋長頭腱の付着部を含めて前後に断裂します。名称の頭文字SがSuperior(上方)であることをそのまま手がかりにできます。
✗ 2. 誤り
下方
下方関節唇そのものが主座になる病態ではありません。下方の関節唇・関節包が問題になるのは、多方向不安定症や下方への脱臼に関連する場面です。
✗ 3. 誤り
前方
前下方関節唇の剥離はバンカート損傷で、肩関節前方脱臼に伴います。SLAPとは発生機序も部位も異なります。
✗ 4. 誤り
後方
SLAPの断裂は上方を主座として前方から後方へ広がるものであり、後方関節唇単独を指すものではありません。後下方関節唇の損傷は後方脱臼に伴う逆バンカート損傷です。
ポイント
  • SLAP=Superior Labrum Anterior to Posterior。上方関節唇の前後に及ぶ断裂。
  • 上腕二頭筋長頭腱の付着部(関節上結節・上方関節唇)を巻き込むのが特徴。
  • 機序は投球動作での牽引ストレス、転倒による突き上げ、挙上位での牽引など。
  • 症状は投球時痛・肩深部痛・クリック。不安定性が目立たず見逃されやすい。
  • 関節唇損傷の部位で区別する。上方=SLAP、前下方=バンカート、後下方=逆バンカート。
比較表
損傷名関節唇の部位関連する病態
SLAP損傷上方(前後に及ぶ)上腕二頭筋長頭腱付着部の牽引ストレス、投球障害
バンカート損傷前下方肩関節前方脱臼
逆バンカート損傷後下方肩関節後方脱臼
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