学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §25 大腿部打撲・肉ばなれ、大腿四頭筋、ハムストリングスの診察 / QJ29A023

理由で解く 柔道整復師

QJ29A023 必修問題

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問23
問題
ハムストリングス肉離れを評価するテストはどれか。
選択肢
1 SLR テスト
2 トーマステスト
3 トンプソンテスト
4 ニュートンテスト
解答
正解1(SLR テスト)
解説

ハムストリングスの伸張性をみるのはSLRテストである。膝を伸ばしたまま下肢を挙げると、二関節筋であるハムストリングスだけが選択的に引き伸ばされる。

SLR(下肢伸展挙上)テストは、背臥位で膝関節を伸展位に保ったまま股関節を屈曲させていく検査である。ハムストリングスは坐骨結節から下腿に至る二関節筋なので、膝伸展位で股関節を屈曲すると起始と停止が最も遠ざかり、損傷部に伸張痛が生じる。健側と挙上角度を比べ、患側で角度が小さい、あるいは大腿後面に痛みが誘発されれば陽性ととらえる。なおSLRは坐骨神経の伸張テスト(ラセーグ徴候)としても用いられるため、痛みが大腿後面の一点に限局するのか、殿部から下腿外側へ放散するのかを聞き分け、筋の問題か神経根の問題かを分けて考える。実際の評価では、伸張テストに加えて圧痛点の触診、抵抗下での膝屈曲による収縮時痛、陥凹の有無を組み合わせて重症度を判断する。

✓ 1. 正しい
SLR テスト
背臥位・膝伸展位で下肢を挙上する。ハムストリングスが選択的に伸張され、損傷部の疼痛と挙上角度の左右差で評価できる。
✗ 2. 誤り
トーマステスト
股関節屈曲拘縮(腸腰筋の短縮)をみる検査。背臥位で健側の股・膝を抱え込ませて腰椎前弯を消したとき、患側の大腿が床から浮き上がれば陽性。
✗ 3. 誤り
トンプソンテスト
アキレス腱断裂の検査。腹臥位で下腿三頭筋の筋腹を握り、足関節が底屈しなければ陽性で、腱の連続性が絶たれていることを示す。
✗ 4. 誤り
ニュートンテスト
仙腸関節障害の検査。腹臥位で仙骨部を圧迫し、仙腸関節部に疼痛が誘発されれば陽性。
ポイント
  • SLRテスト=膝伸展位のまま股関節屈曲。ハムストリングスの伸張性と坐骨神経の緊張の両方をみる。
  • 痛みの性質で鑑別する——局所の伸張痛なら筋、放散痛・しびれを伴うなら神経根性を疑う。
  • 肉離れの評価は「伸張痛+収縮時痛+圧痛点+陥凹」をセットで。
  • 検査名は狙う組織で束ねる:トーマス=腸腰筋、トンプソン=アキレス腱、ニュートン=仙腸関節。
比較表
テスト対象方法と陽性所見
SLRテストハムストリングス/坐骨神経背臥位、膝伸展位で下肢挙上。疼痛・挙上角度の低下
トーマステスト股関節屈曲拘縮(腸腰筋)健側股・膝を抱え込む。患側大腿が浮く
トンプソンテストアキレス腱断裂腹臥位で下腿三頭筋を把握。足関節が底屈しない
ニュートンテスト仙腸関節障害腹臥位で仙骨を圧迫。仙腸関節部の疼痛
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