学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §26 膝関節側副靱帯損傷の診察 / QJ29A024

理由で解く 柔道整復師

QJ29A024 必修問題

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問24
問題
膝内側側副靱帯単独損傷時の外反ストレステストの陽性所見はどれか。
選択肢
1 握雪音
2 クリック
3 サグサイン
4 関節裂隙の開大
解答
正解4(関節裂隙の開大)
解説

外反ストレステストの陽性所見は関節裂隙の開大である。内側側副靱帯(MCL)が損傷して外反を止められなくなったことを、内側の関節裂隙が開く量として捉える検査である。

MCLは大腿骨内側上顆と脛骨内側をつなぎ、膝の外反と下腿の外旋を制動している。検査は背臥位で膝を約30度屈曲させ、一方の手で足部・下腿を持ち、他方の手を膝の外側に当てて外反力を加える。健側と比較して内側の関節裂隙が開き(動揺性)、同時に靱帯部に疼痛が生じれば陽性である。30度屈曲位で行うのは、この肢位では前・後十字靱帯による制動がゆるみ、MCLの状態だけを取り出して評価できるからである。膝完全伸展位でも開大する場合は、後内側支持機構や十字靱帯の合併損傷が疑われるため、医師への紹介を考える。開大の程度は健側との差でおおむね5mm未満・5〜10mm・10mm以上とⅠ〜Ⅲ度に分けて記録する。

✗ 1. 誤り
握雪音
皮下気腫を触れたときの、雪を握るような独特の感触。開放骨折や胸部外傷(気胸)などで空気が皮下組織に入った所見であり、靱帯の動揺性とは無関係である。
✗ 2. 誤り
クリック
マックマレーテストなどで、損傷した半月板が大腿骨と脛骨の間に挟まれて生じるひっかかりの音・感触。半月板損傷を示唆する所見である。
✗ 3. 誤り
サグサイン
背臥位で股関節・膝関節を屈曲させたとき、脛骨近位部が重力で後方へ落ち込む所見。後十字靱帯(PCL)損傷を示す。
✓ 4. 正しい
関節裂隙の開大
外反力に対してMCLが張力を受け止められなくなるため、内側の関節裂隙が健側より大きく開く。同時に靱帯部の疼痛も伴う。
ポイント
  • MCLは膝の外反・外旋を制動する。受傷機転は膝外側からの外反強制。
  • 外反ストレステストは膝約30度屈曲位で行う——十字靱帯の制動を外してMCL単独を評価するため。
  • 陽性=内側関節裂隙の開大(動揺性)+靱帯部の疼痛。
  • 完全伸展位でも開大するなら、後内側支持機構や十字靱帯の合併損傷を疑い医師へ。
  • 紛らわしい所見の帰属:握雪音=皮下気腫、クリック=半月板、サグサイン=PCL。
比較表
所見示すもの典型的な場面
関節裂隙の開大側副靱帯損傷外反/内反ストレステスト
握雪音皮下気腫開放骨折・胸部外傷
クリック半月板損傷マックマレーテスト
サグサイン後十字靱帯損傷股・膝屈曲位での視診
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