学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §23 肩腱板損傷の診察 / QJ30A025

理由で解く 柔道整復師

QJ30A025 必修問題

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問25
問題
肩関節のインピンジメントを確認する動作はどれか。
選択肢
1 検者は患者の健側前方に位置する。
2 検者は大結節を押さえる。
3 肩関節を内旋位で挙上する。
4 挙上は自動運動で行う。
解答
正解3(肩関節を内旋位で挙上する。)
解説

インピンジメントの確認は、肩関節を内旋位にしたまま他動的に挙上し、大結節を肩峰・烏口肩峰靱帯に衝突させて疼痛が出るかをみます。

肩を内旋させると大結節が前上方を向き、挙上の途中で肩峰下に潜り込む余地が小さくなります。この状態で他動的に挙げると棘上筋腱と肩峰下滑液包が肩峰下で挟まれ、疼痛が誘発されます(ニアテスト)。検者は患側の後方に立ち、一方の手で肩甲骨を上から押さえて肩甲骨の代償的な回旋を止め、もう一方の手で上肢を挙上します。自動運動にすると患者が痛みを避けて肩甲骨を早期に動かしてしまい、判定が不確かになるため他動で行います。陽性のときは無理に反復せず、疼痛の程度と可動域を記録し、必要に応じて医師の診察につなげます。

✓ 3. 正しい
肩関節を内旋位で挙上する。
内旋位にすると大結節が肩峰の下をくぐりにくくなり、衝突が起きやすい条件が整います。だからこそ疼痛の有無で肩峰下インピンジメントを判定できます。
✗ 1. 誤り
検者は患者の健側前方に位置する。
検者は患側の後方に立ちます。後方からであれば肩甲骨を確実に押さえ、上肢の挙上を同時に誘導できます。健側前方からでは肩甲骨の固定ができません。
✗ 2. 誤り
検者は大結節を押さえる。
押さえるのは肩甲骨です。大結節を押さえると、確認したい大結節と肩峰の衝突そのものを妨げてしまい判定できません。
✗ 4. 誤り
挙上は自動運動で行う。
他動運動で行います。自動では患者が疼痛を避けて動きを変えてしまい、衝突が再現されないため偽陰性になりやすくなります。
ポイント
  • ニアテストの4条件=「患側の後方に立つ」「肩甲骨を押さえる」「内旋位」「他動的に挙上」。
  • 内旋位にする理由は、大結節を肩峰下に当たりやすい位置へ向けるため。
  • 肩甲骨を固定する理由は、肩甲上腕リズムによる代償を止めて肩甲上腕関節だけを評価するため。
  • 他動で行う理由は、疼痛回避による動きの変化を防いで再現性を確保するため。
  • 陽性なら反復せず、可動域と疼痛の程度を記録し必要に応じて医師につなげる。
比較表
項目ニアテストホーキンス・ケネディテスト
検者の位置患側の後方患者の前方または側方
肢位肩内旋位肩屈曲90度・肘屈曲90度
操作肩甲骨を押さえ、他動的に挙上その位置から他動的に内旋させる
ぶつかる場所大結節と肩峰・烏口肩峰靱帯大結節と烏口肩峰靱帯
陽性所見挙上途中の疼痛内旋時の疼痛
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。