学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 必修問題 ▸ §9 上腕骨外科頸外転型骨折の診察および整復 / QJ30A010
理由で解く 柔道整復師
上腕骨外科頸外転型骨折では、遠位骨片が外転し骨折部が前内方へ角状に突出する「前内方凸変形」を生じます。整復操作で矯正(改善)されるのは、この骨折型に固有の前内方凸変形です。
外科頸は解剖頸のすぐ遠位、大結節・小結節の下方でやや細くなった移行部で、海綿骨に富むため高齢者が転倒して手をついた際に骨折しやすい部位です。外転型は上肢が外転位で手をつき、長軸方向の外力が加わって発生します。このとき近位骨片(骨頭側)は軽度内転位をとり、遠位骨片(骨幹部側)は外転するとともに、大胸筋(および広背筋・大円筋)に引かれて前内方へ転位します。外転によって「内方」の成分が、筋の牽引によって「前方」の成分が加わることで、両骨片のなす角の頂点は前内方を向き、骨折部は前内方に凸の屈曲変形を示します。整復は上腕を軽度外転位で長軸方向に牽引し、遠位骨片を内転方向へ導きながら、前内方に突出した骨折部を後外方へ押し戻すように行います。整復後は上腕を体幹に沿わせた内転位で固定し、変形の再発を防ぎます。逆に内転型では遠位骨片が内転して前外方凸変形となり、固定も外転位で行うため、「型が違えば変形の向きも整復・固定肢位も逆になる」と対で覚えると混乱しません。
| 外転型(本問) | 内転型 | |
|---|---|---|
| 受傷肢位 | 上肢外転位で手をつく | 上肢内転位で手・肘をつく |
| 近位骨片 | 軽度内転 | 軽度外転 |
| 遠位骨片 | 外転転位(大胸筋・広背筋・大円筋に引かれ前内方へ) | 内転転位 |
| 骨折部の角状変形 | 前内方凸 | 前外方凸 |
| 整復後の固定肢位 | 内転位(上腕を体幹に固定) | 外転位(外転副子・枕を使用) |
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