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理由で解く 柔道整復師

送球という強い遠心性収縮の瞬間に鋭い肩の痛みが走り、徒手検査と超音波の双方で異常が示された症例です。腱板のなかで最も損傷しやすい棘上筋(腱)が損傷部位と考えられます。
腱板は棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の4筋の腱が上腕骨頭を包むように付く構造で、骨頭を関節窩に引きつけて支点を安定させる役割を担います。このうち棘上筋腱は大結節の最上部に停止し、上方を肩峰と烏口肩峰靱帯(烏口肩峰アーチ)に覆われているため、腕を挙げるたびに機械的なこすれを受けます。加えて停止部からおよそ1cm近位は血行に乏しい領域とされ、変性が進みやすい部位です。中年期以降はこの変性を基盤とするため、若年者なら耐えられる程度の外力、たとえば全力送球の減速局面に働く急激な遠心性収縮でも断裂が起こります。棘上筋腱は肩を伸展・内旋させると肩峰の前方に引き出されるため超音波で描出しやすく、腱板の連続性の評価に適した部位でもあります。柔道整復師としての対応は、まず投球と挙上動作を中止させて安静と冷却を行い、三角巾などで上肢の重さを支えて疼痛を軽減させることです。そのうえで肩甲胸郭関節の可動性と肩甲帯の筋機能は落とさないように管理し、断裂が疑われる所見が続く場合は整形外科での画像評価につなぎます。
| 構造 | 付着部(起始・停止) | 主な作用 | 代表的な徒手検査 |
|---|---|---|---|
| 棘上筋 | 起始=棘上窩/停止=大結節(上部) | 外転(挙上の起こし)・骨頭の求心位保持 | ジョブテスト、ドロップアームテスト |
| 棘下筋 | 起始=棘下窩/停止=大結節(中部) | 外旋 | 外旋抵抗テスト |
| 肩甲下筋 | 起始=肩甲下窩/停止=小結節 | 内旋 | リフトオフテスト、ベリープレステスト |
| 上腕二頭筋長頭(腱) | 起始=関節上結節(結節間溝を走行して関節内へ入る)/停止=橈骨粗面・上腕二頭筋腱膜 | 肘屈曲・前腕回外(肩の屈曲・外転を補助) | ヤーガソンテスト、スピードテスト |
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