学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §22 各論(軟部組織損傷) 上肢 / QJ29P099

理由で解く 柔道整復師

QJ29P099 柔道整復理論

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問99
問題
肩腱板損傷の徒手検査法はどれか。
選択肢
1 スピードテスト
2 ロードアンドシフトテスト
3 クランクテスト
4 リフトオフテスト
解答
正解4(リフトオフテスト)
解説

腱板は棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の4つ。リフトオフテストは肩甲下筋の機能をみる検査で、腱板損傷の徒手検査法にあたる。

リフトオフテスト(ガーバーテスト)は、手背を腰背部に当てた肢位から手を背方へ持ち上げさせ、持ち上げられない、あるいは体幹を回旋させて代償する場合を陽性とする。この肢位では肩関節が内旋位に置かれるため、内旋筋である肩甲下筋の働きを単離して評価できる。肩甲下筋は腱板の前方部分を構成するので、この検査は腱板の機能検査に位置づけられる。腱板を扱う検査は他にも、棘上筋を狙うエンプティカン(ジョブ)テスト、外転60〜120度で痛みが出るペインフルアークサイン、挙上位から下ろせず落ちてしまうドロップアームサイン、棘下筋・小円筋をみる外旋抵抗テストなどがある。徒手検査は「どの筋・どの組織を狙っているか」と対にして覚えると取り違えにくい。

✓ 4. 正しい
リフトオフテスト
内旋位で手を背方へ持ち上げる動作を評価する検査で、肩甲下筋の筋力低下や断裂があると持ち上げられず陽性となる。肩甲下筋は腱板の前方部分を構成するため、腱板損傷の徒手検査法として正しい。
✗ 1. 誤り
スピードテスト
肘伸展・前腕回外位で肩関節の屈曲に抵抗を加え、結節間溝部に疼痛が出るかをみる検査。対象は上腕二頭筋長頭腱の障害であり、腱板そのものではない。
✗ 2. 誤り
ロードアンドシフトテスト
上腕骨頭を関節窩に押し付けながら前後へ動かし、その移動量から肩関節の不安定性を評価する検査。みているのは関節包・関節唇・靱帯といった静的支持機構で、腱板の機能ではない。
✗ 3. 誤り
クランクテスト
挙上位で上腕に軸圧を加えながら回旋させ、疼痛やクリックの有無から上方関節唇損傷(SLAP損傷)を疑う検査。対象は関節唇であり腱板ではない。
ポイント
  • 腱板=棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋。前方が肩甲下筋、後方が棘下筋・小円筋、上方が棘上筋。
  • リフトオフテスト(ガーバー)=肩甲下筋。手背を腰に当てて背方へ持ち上げる。
  • 棘上筋はエンプティカン(ジョブ)テスト、ペインフルアークサイン、ドロップアームサインで評価する。
  • スピードテスト・ヤーガソンテストは上腕二頭筋長頭腱、クランクテストは関節唇、ロードアンドシフトテストは不安定性。
  • 検査名は「狙う組織」とセットで覚えると取り違えを防げる。
比較表
検査法対象組織方法の要点
リフトオフテスト肩甲下筋(腱板)手背を腰背部に当て、背方へ持ち上げられるか
エンプティカン(ジョブ)テスト棘上筋(腱板)内旋位・肩甲骨面挙上で下方への抵抗
スピードテスト上腕二頭筋長頭腱肘伸展・回外位で肩屈曲に抵抗、結節間溝の疼痛
ロードアンドシフトテスト関節包・靱帯(不安定性)骨頭を関節窩に圧迫しつつ前後へ移動させる
クランクテスト関節唇(SLAP損傷)挙上位で軸圧を加えつつ回旋、疼痛・クリック
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