学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §22 各論(軟部組織損傷) 上肢 / QJ29P100
理由で解く 柔道整復師
上腕二頭筋長頭腱断裂では肘屈曲と前腕回外の筋力が低下する。膨隆が出るのは上腕の遠位(肘寄り)なので、「近位」とする記述のほうが誤り。
上腕二頭筋長頭腱は結節間溝を通って関節内に入るという特異な走行のため、摩擦と加齢性の変性を受けやすい。そのため40歳以降の中高年に、重い物を持ち上げるなど収縮中の筋に急な伸張力が加わる介達外力(自家筋力)で断裂することが多い。断裂すると筋腹を上方へつなぎ止めるものがなくなり、筋腹は遠位へ滑り落ちて上腕の遠位部が膨らむ。これがポパイ徴候(ポパイサイン)で、近位側は逆に平坦化して見える。短頭が残るため筋力が完全に失われることはないが、肘屈曲力、とくに前腕回外力の低下と易疲労感が残る。断裂した瞬間に肩前面の痛みが軽くなることがあり、「痛みが消えたから治った」と受け取られやすいので、腱板損傷の合併も念頭に医療機関での評価を勧めるとよい。
| 長頭腱(近位)断裂 | 遠位腱(橈骨粗面)断裂 | |
|---|---|---|
| 断裂部位 | 結節間溝部の長頭腱 | 肘部、橈骨粗面付着部 |
| 筋腹の移動 | 遠位へずり落ちる | 近位へ引き上げられる |
| 膨隆の位置 | 上腕の遠位(肘寄り) | 上腕の近位(肩寄り) |
| 好発・機転 | 中高年、変性を基盤に介達外力 | 比較的若壮年、重量物の急な持ち上げ |
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