学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §19 各論(脱臼) 上肢 / QJ29P092

理由で解く 柔道整復師

QJ29P092 柔道整復理論

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問92
問題
肩関節脱臼と弾発性固定の肢位の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 棘下脱臼--肩関節内転・内旋位
2 鎖骨下脱臼-肩関節水平位
3 肩峰下脱臼一・肩関節伸展位
4 関節窩下脱臼-肩関節外旋位
解答
正解2(鎖骨下脱臼-肩関節水平位)
解説

肩関節脱臼の弾発性固定の肢位は「骨頭が関節窩からどの方向へどれだけ離れたか」で決まる。骨頭が内側の鎖骨下まで移動する鎖骨下脱臼では、上腕はほぼ水平の外転位で固定される。

前方脱臼の代表である烏口下脱臼では、骨頭は烏口突起の下に位置し、上腕は20〜30度程度の外転・軽度内旋位をとる。骨頭がさらに内側の鎖骨下へ移動する鎖骨下脱臼では、上腕骨が関節窩から離れる分だけ外転を強いられ、ほぼ水平位(およそ90度外転)で弾発性に固定される。骨頭が関節窩の直下へ落ち込む関節窩下脱臼では、上腕は著明な外転・挙上位をとり、極端な型では上肢を挙げたまま下ろせない直立脱臼となる。一方、後方脱臼群(肩峰下脱臼・棘下脱臼など)では骨頭が後方へ回るため、上腕は内転・内旋位をとり外旋が不能になる。

なお本問は原本の読み取りに揺れがあり、選択肢1が「棘下脱臼一一肩関節内転・内旋位」と表示されている。この表記のままでは棘下脱臼=内転・内旋位という正しい対応になってしまい、正答が2つ成立する。公式正答が2である以上、原本の選択肢1は肢位の部分(外転位・外旋位など)か脱臼名の部分が別の語で、誤った組合せとして作られていたと考えるほかない。どの語が入れ替わっていたかまでは原本を確認できないので断定しないが、「鎖骨下脱臼=ほぼ水平位」という2の対応と、「後方脱臼群=内転・内旋位、外旋不能」という知識自体は動かないので、そこを軸に判断すればよい。

✓ 2. 正しい
鎖骨下脱臼-肩関節水平位
骨頭が烏口突起よりさらに内側の鎖骨下に転位すると、上腕骨は関節窩から離れた分だけ外転位を強いられ、ほぼ水平(約90度外転)で弾発性に固定される。前方脱臼のなかで、烏口下脱臼(軽度外転)と関節窩下脱臼(著明な挙上)の中間に位置づくと理解すると整理しやすい。
✗ 1. 本問では選ばない(原本の表記に揺れ)
棘下脱臼--肩関節内転・内旋位
確定していること:公式正答は2であり、本問で選ぶのは2。表示された文字どおりの事実:棘下脱臼は後方脱臼群に属し、上腕は内転・内旋位をとる。したがって画面に見えている表記のままなら、この組合せ自体は正しく、正答が2つ成立してしまう。ここから導かれる推測:原本の選択肢1は、肢位の部分(例:外転位や外旋位)か脱臼名の部分が別の語であり、誤った組合せとして提示されていたと考えられる。どの語が入れ替わっていたかは原本を確認できないため断定しない。学習上は「後方脱臼群(肩峰下・棘下)=内転・内旋位で外旋不能」という正しい対応を覚え、その知識で誤った組合せを見抜けるようにしておけばよい。
✗ 3. 誤り
肩峰下脱臼一・肩関節伸展位
肩峰下脱臼は後方脱臼の代表型で、上腕は内転・内旋位に固定され外旋ができなくなる。「伸展位」という対応は成り立たない。後方脱臼は前から見ると変形が分かりにくいため、内旋位のまま外旋できない点が手がかりになる。
✗ 4. 誤り
関節窩下脱臼-肩関節外旋位
骨頭が関節窩の直下に落ち込むため、上腕は著明な外転・挙上位をとる。特徴は外旋ではなく強い外転であり、極端な型では上肢を挙上したまま下ろせない直立脱臼となる。
ポイント
  • 弾発性固定の肢位は、骨頭が関節窩からどちらへどれだけ離れたかで決まる。
  • 前方脱臼の外転角の序列:烏口下(20〜30度)<鎖骨下(ほぼ水平)<関節窩下(著明な挙上)。
  • 後方脱臼群(肩峰下・棘下)は内転・内旋位で、外旋が不能になるのが手がかり。
  • 関節窩下脱臼の極型が直立脱臼(上肢を挙げたまま下ろせない)。
  • 本問で選ぶのは2。選択肢1は表示された文字のままだと正しい組合せに読めてしまうが、これは原本の読み取りの揺れによるもので、公式正答は2のみ。
  • 脱臼を疑ったら整復操作の前に腋窩神経領域の感覚と橈骨動脈拍動を確認し、必要なら医療機関へつなぐ。
比較表
脱臼型骨頭の位置上腕の肢位
烏口下脱臼(前方・最多)烏口突起の下20〜30度外転・軽度内旋位
鎖骨下脱臼(前方)鎖骨の下、より内側ほぼ水平位(約90度外転)
関節窩下脱臼(前下方)関節窩の直下著明な外転・挙上位(極型が直立脱臼)
肩峰下・棘下脱臼(後方)肩峰下、肩甲棘の下方内転・内旋位、外旋不能
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