学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ29P086

理由で解く 柔道整復師

QJ29P086 柔道整復理論

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問86
問題
骨折と転位に関与する筋の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 上前腸骨棘骨折-大腿直筋
2 下前腸骨棘骨折 ~-大腿筋膜張筋
3 大腿骨大転子骨折 ーー中殿筋
4 大腿骨小転子骨折 →.。-梨状筋
解答
正解3(大腿骨大転子骨折 ーー中殿筋)
解説

大転子には中殿筋・小殿筋が停止し、骨片を上外方へ引く。他の3つは付着部と筋を取り違えた組合せである。

骨盤や大腿骨近位部の裂離骨折は、その部位に付く筋の急激な強い収縮で起こるため、付着部の解剖がそのまま答えになる。上前腸骨棘は縫工筋(と大腿筋膜張筋)、下前腸骨棘は大腿直筋の直頭、小転子は腸腰筋、大転子は中殿筋・小殿筋が担当する。走る・蹴るといった動作で生じるスポーツ外傷として、骨端核が閉じる前の成長期に多い。

✓ 3. 正しい組合せ
大腿骨大転子骨折 ーー 中殿筋
大転子には中殿筋・小殿筋が停止しており、これらの牽引で骨片は上外方へ転位する。組合せとして正しい。
✗ 1. 誤り
上前腸骨棘骨折-大腿直筋
上前腸骨棘に付くのは縫工筋(と大腿筋膜張筋)で、骨片は下外方へ引かれる。大腿直筋が起始するのは下前腸骨棘なので、組合せが入れ替わっている。
✗ 2. 誤り
下前腸骨棘骨折 ~-大腿筋膜張筋
下前腸骨棘に起始するのは大腿直筋の直頭で、骨片は下方へ引かれる。大腿筋膜張筋は上前腸骨棘の外側に起始するため対応しない。
✗ 4. 誤り
大腿骨小転子骨折 →.。-梨状筋
小転子に停止するのは腸腰筋で、骨片は上内方へ引かれる。梨状筋は大転子の尖端付近に停止する外旋筋であり、小転子とは対応しない。
ポイント
  • 上前腸骨棘=縫工筋・大腿筋膜張筋(骨片は下外方へ)
  • 下前腸骨棘=大腿直筋の直頭(下方へ)
  • 小転子=腸腰筋(上内方へ)
  • 大転子=中殿筋・小殿筋(上外方へ)。尖端には梨状筋など外旋筋
  • 裂離骨折は成長期のスポーツ活動に多く、ダッシュや蹴る動作の聴取が手がかりになる
比較表
骨折部位牽引する筋転位方向典型的な動作
上前腸骨棘縫工筋、大腿筋膜張筋下外方スタートダッシュ
下前腸骨棘大腿直筋(直頭)下方ボールを蹴る
小転子腸腰筋上内方急な股関節屈曲
大転子中殿筋、小殿筋上外方転倒、外転筋の急な収縮
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