学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ29P085

理由で解く 柔道整復師

QJ29P085 柔道整復理論

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問85
問題
第5中手骨基部骨折の短縮転位に関与するのはどれか。
選択肢
1 尺側手根伸筋
2 尺側手根屈筋
3 小指対立筋
4 小指外転筋
解答
正解1(尺側手根伸筋)
解説

第5中手骨基部の背側に停止する尺側手根伸筋が中手骨本体を近位へ引くことで、短縮転位が生じる。

短縮転位を起こすのは、骨折線をまたいで骨片を長軸方向に引く筋である。第5中手骨基部には背側から尺側手根伸筋が停止する。基部の関節内骨折では掌尺側の小骨片が靱帯によって手根骨側に残り、尺側手根伸筋の付いた中手骨本体が近位・背側・尺側へ引かれる。この牽引が短縮転位の主因で、整復後も同じ力で再転位しやすい。小指の内在筋は中手骨を掌側へ引いたり小指を外転させたりする働きで、長軸方向の短縮を生む力にはならない。

✓ 1. これが答え
尺側手根伸筋
第5中手骨基部の背側に停止し、収縮すると中手骨本体を近位・背側へ引く。これが基部骨折での短縮転位の主因になる。整復後も同じ力で再転位しやすいため、固定肢位と保持に注意する。
✗ 2. 当てはまらない
尺側手根屈筋
主な停止は種子骨である豆状骨で、そこから豆鉤靱帯・豆中手靱帯を介して力が伝わる。第5中手骨基部の短縮転位を直接つくる主役ではない。
✗ 3. 当てはまらない
小指対立筋
有鉤骨鉤から起こり第5中手骨の尺側縁に停止する内在筋。中手骨を掌側へ引いて対立させる働きで、長軸方向の短縮には関与しない。
✗ 4. 当てはまらない
小指外転筋
豆状骨から起こって小指の基節骨底に停止する。作用は小指の外転で、中手骨基部の短縮転位を起こす方向には働かない。
ポイント
  • 尺側手根伸筋は第5中手骨基部の背側に停止。収縮で中手骨は近位・背側へ引かれる
  • 短縮転位を起こすのは、骨折線をまたいで長軸方向に引く筋
  • 尺側手根屈筋は豆状骨に停止し、靱帯を介して力を伝える
  • 小指対立筋・小指外転筋は内在筋で、短縮転位には関与しない
  • 整復後も同じ牽引力が働くため再転位しやすく、固定肢位と経過観察が重要
比較表
停止主な作用短縮転位への関与
尺側手根伸筋第5中手骨基部(背側)手関節の背屈・尺屈主因
尺側手根屈筋豆状骨(靱帯を介し遠位へ)手関節の掌屈・尺屈主因ではない
小指対立筋第5中手骨尺側縁小指の対立なし
小指外転筋小指基節骨底小指の外転なし
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