学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ29P080

理由で解く 柔道整復師

QJ29P080 柔道整復理論

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問80
問題
肩甲骨骨折と骨片転位に関与する筋の組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 肩峰骨折-三角筋
2 烏口突起骨折-小胸筋
3 肩甲骨上角骨折-小円筋
4 肩甲骨下角骨折・大円筋
解答
正解3(肩甲骨上角骨折-小円筋)
解説

肩甲骨上角に付着するのは肩甲挙筋である。小円筋は肩甲骨の外側縁から起こる筋で、上角骨折の骨片転位には関与しない。

肩甲骨骨折の転位方向は、その骨片にどの筋が付着し、どちらへ引くかで決まる。付着部を部位ごとに整理すると、肩峰=三角筋(起始)、烏口突起=小胸筋・烏口腕筋・上腕二頭筋短頭、上角=肩甲挙筋、内側縁=菱形筋・前鋸筋、下角=大円筋(および広背筋の一部)となる。小円筋・大円筋はいずれも肩甲骨の外側縁〜下角側から起こり上腕骨へ向かうが、小円筋は外側縁上部から大結節下部へ、大円筋は下角から小結節稜へ付く。この違いを押さえると、上角と小円筋の組合せが成立しないことがすぐ分かる。

✓ 3. これが誤り(設問の答え)
肩甲骨上角骨折-小円筋
上角に付着するのは肩甲挙筋であり、上角骨折では骨片が肩甲挙筋に引かれて上方へ転位する。小円筋は肩甲骨外側縁から起こって上腕骨大結節下部に停止する筋で、上角には付着しない。よってこの組合せが設問の答えとなる。
✗ 1. 正しい組合せ(答えではない)
肩峰骨折-三角筋
三角筋は肩峰から起始して上腕骨三角筋粗面へ向かうため、肩峰骨折では骨片が三角筋に引かれて下方へ転位する。組合せとして成立している。
✗ 2. 正しい組合せ(答えではない)
烏口突起骨折-小胸筋
小胸筋は第3〜5肋骨から起こり烏口突起に停止する。骨片は小胸筋(および烏口腕筋・上腕二頭筋短頭)に引かれて下内方へ転位する。組合せとして成立している。
✗ 4. 正しい組合せ(答えではない)
肩甲骨下角骨折・大円筋
大円筋は下角付近から起こり上腕骨小結節稜へ停止するため、下角骨折では骨片が大円筋に引かれて外上方(上腕骨側)へ転位する。組合せとして成立している。
ポイント
  • 上角=肩甲挙筋、下角=大円筋(+広背筋の一部)、内側縁=菱形筋・前鋸筋。
  • 肩峰=三角筋の起始。肩峰骨折では骨片が下方へ引かれる。
  • 烏口突起=小胸筋・烏口腕筋・上腕二頭筋短頭。骨片は下内方へ引かれる。
  • 小円筋は外側縁から起こる筋で、上角には付着しない。
  • 骨片転位は「どの筋がどちらへ引くか」で決まる。付着部を地図として覚える。
比較表
骨折部位付着する主な筋骨片の転位方向
肩峰三角筋(起始)下方
烏口突起小胸筋・烏口腕筋・上腕二頭筋短頭下内方
上角肩甲挙筋上方
内側縁菱形筋・前鋸筋内側・外側へ引き合う
下角大円筋(広背筋の一部)外上方
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。