学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ29P069
理由で解く 柔道整復師
転位のある鎖骨骨折の患者は、骨折部の緊張と振動を避けるための決まった姿勢をとる。上肢は体幹につけた下垂位が基本で、外転肢位はとらない。
鎖骨骨折では、近位骨片が胸鎖乳突筋に引かれて上後方へ、遠位骨片は上肢の重みと大胸筋・小胸筋の牽引で下前内方へ転位する。そのため患者は胸鎖乳突筋の起始部の緊張をゆるめようとして頭部を患側へ傾け、顔は健側へ向ける。同時に健側の手で患側の肘や前腕を支えて上肢の重みを取り除き、上肢は体幹に密着させたまま動かさない。歩行でも踵接地の衝撃が骨折部に伝わらないよう、歩幅の小さいすり足になる。いずれも「骨片を動かす力を減らす」ための姿勢と理解すると、丸暗記せずに判断できる。応急処置では患者が自分でとっているこの肢位をそのまま保ち、三角巾などで前腕を吊って上肢の重みを除いてから固定に移る。
| 骨片 | 働く主な力 | 転位方向 | 患者の姿勢との関係 |
|---|---|---|---|
| 近位骨片 | 胸鎖乳突筋の牽引 | 上後方 | 頭部を患側に傾けて筋の張力をゆるめる |
| 遠位骨片 | 上肢の重み、大胸筋・小胸筋 | 下前内方 | 健側の手で肘を支え、重みを取り除く |
| 骨折部全体 | 歩行時の衝撃・振動 | — | 歩幅の小さいすり足歩行になる |
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