学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §2 総論 運動器損傷の診察 / QJ29P070

理由で解く 柔道整復師

QJ29P070 柔道整復理論

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問70
問題
初検の病歴聴取の進め方で誤っているのはどれか。
選択肢
1 患者の正面に座り話を聞き取る。
2 患者がリラックスして話せる環境を作る。
3 患者の抱いている懸念や望んでいることを聞き取る。
4 患者のプライバシーに関しての質問は慎重に行う。
解答
正解1(患者の正面に座り話を聞き取る。)
解説

医療面接では、患者が話しやすい位置関係をつくることが情報収集の前提になる。真正面で向かい合う配置は視線の逃げ場がなく緊張や対立感を生みやすいため、初検の傾聴には適さない。

病歴聴取は情報を集める作業であると同時に、信頼関係(ラポール)を築く場でもある。座る位置は正面法(対面法)・直角法(90度法)・並列法(平行法)に整理され、初検で話を聴く場面では、視線を合わせることも外すこともできる直角法が勧められる。距離は互いの声が無理なく届く程度に取り、机や物で遮らないようにする。進め方としては、まず開かれた質問で患者の言葉を引き出し、うなずきや相づちで受け止め、患者が抱いている心配や「どうなりたいか」という希望を確認する。既往歴や生活・家族に関する質問は、なぜ必要なのかを説明してから尋ねると患者の抵抗が少ない。

✓ 1. これが誤り(設問の答え)
患者の正面に座り話を聞き取る。
真正面の配置は視線が常に合い続け、患者に見つめられている圧迫感や、対立している印象を与えやすい。傾聴の場面では椅子の角度を90度程度ずらした直角法をとり、視線を合わせやすく、かつ自然に外せる位置に座る。したがって「正面に座る」が設問の答えとなる。
✗ 2. 適切(答えではない)
患者がリラックスして話せる環境を作る。
緊張していると症状の経過や不安を言葉にしにくい。声の大きさ、周囲の視線、待たせ方などに配慮して落ち着ける場をつくることは面接の基本であり、答えではない。
✗ 3. 適切(答えではない)
患者の抱いている懸念や望んでいることを聞き取る。
症状そのものだけでなく、患者が何を心配し何を期待して来所したのかを聴くことで、説明の重点や施術方針の共有がしやすくなる。適切な進め方であり、答えではない。
✗ 4. 適切(答えではない)
患者のプライバシーに関しての質問は慎重に行う。
生活状況や家族歴など私的な内容は、必要性を説明し、周囲に聞こえない環境で、患者の同意を確かめながら尋ねる。適切な配慮であり、答えではない。
ポイント
  • 初検の傾聴には直角法(90度法)が適する。真正面は圧迫感・対立感が出やすい。
  • 座る位置・距離・遮蔽物の有無も「話しやすさ」を左右する面接技法の一部。
  • 開かれた質問から始め、うなずき・相づち・要約で受け止める。
  • 患者の懸念と希望(受診動機)を確認すると、説明と方針の共有がしやすい。
  • 私的な内容は必要性を説明し、同意を得てから尋ねる。
比較表
座る位置視線の関係向いている場面
正面法(対面法)常に視線が合う短い指示や説明。長い傾聴では圧迫感が出やすい
直角法(90度法)合わせるのも外すのも容易初検の病歴聴取・傾聴(45度程度の斜め配置も同様に視線を外しやすい)
並列法(平行法・横並び)ほぼ視線が合わない画像や資料を一緒に見ながらの説明
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