学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §2 総論 運動器損傷の診察 / QJ30P094

理由で解く 柔道整復師

QJ30P094 柔道整復理論

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問94
問題
肩関節を 90度外転、90度外旋で行う検査法はどれか。
選択肢
1 ルース
2 アドソン
3 モーリー
4 エデン
解答
正解1(ルース)
解説

両上肢を90度外転・90度外旋(いわゆる降参の姿勢)で保持して行うのはルース(Roos)テストです。正しいのは1です。

選択肢はすべて胸郭出口症候群の検査法で、どの狭窄部位を再現しようとしているかで整理すると一気に覚えやすくなります。胸郭出口には斜角筋隙(前斜角筋と中斜角筋の間)、肋鎖間隙(鎖骨と第1肋骨の間)、小胸筋下間隙(烏口突起下)の3か所の関門があり、各検査はこのいずれかを狭めます。ルーステストはEAST(elevated arm stress test)とも呼ばれ、90度外転・90度外旋位で3分間ほど手指の開閉を反復させ、上肢のだるさ・しびれ・脱力が再現されれば陽性とします。挙上位は鎖骨と第1肋骨の間隙を狭め、かつ小胸筋の下でも神経血管束を圧迫するため、日常で症状が出る肢位を最も忠実に再現できるのが利点です。

✓ 1. 正しい
ルース
両肩90度外転・90度外旋、肘90度屈曲位を保持し、3分間手指の屈伸を繰り返させます。上肢の脱力・しびれ・重だるさで持続できなければ陽性で、胸郭出口症候群のスクリーニングとして感度が高い検査です。
✗ 2. 誤り
アドソン
座位で頸部を患側へ回旋・軽度伸展させ、深吸気で息を止めさせます。斜角筋隙が狭まり橈骨動脈の拍動が減弱すれば陽性です。上肢を90度外転・外旋する肢位ではありません。
✗ 3. 誤り
モーリー
鎖骨上窩(斜角筋隙)で腕神経叢を直接圧迫し、上肢への放散痛が誘発されれば陽性です。肢位ではなく圧迫による誘発試験です。
✗ 4. 誤り
エデン
胸を張って両肩を後下方に引かせ(気をつけの姿勢を強調した肢位)、肋鎖間隙を狭めて橈骨動脈拍動の減弱をみます。上肢を挙上する検査ではありません。
ポイント
  • ルース(Roos)=EAST。90度外転・90度外旋位で3分間、手指の開閉を反復させる。
  • アドソン=頸部を患側へ回旋・伸展+深吸気止息。斜角筋隙の絞扼をみる。
  • エデン=両肩を後下方に引く。肋鎖間隙の絞扼をみる。
  • モーリー=鎖骨上窩の圧迫で放散痛を誘発。腕神経叢そのものへの刺激。
  • いずれも胸郭出口症候群の検査。狭窄部位(斜角筋隙・肋鎖間隙・小胸筋下間隙)と対応づけて覚える。
  • 陽性所見が得られたら、なで肩・不良姿勢の改善、肩甲帯挙上筋の強化など、原因肢位に働きかける指導につなげる。
比較表
検査名肢位・操作狙う狭窄部位
ルース(EAST)90度外転・90度外旋で3分間手指を開閉肋鎖間隙・小胸筋下間隙
アドソン頸部を患側へ回旋・伸展、深吸気で息止め斜角筋隙
エデン胸を張り両肩を後下方へ引く肋鎖間隙
モーリー鎖骨上窩を圧迫斜角筋隙(腕神経叢の直接圧迫)
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