学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ29P081

理由で解く 柔道整復師

QJ29P081 柔道整復理論

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問81
問題
上腕骨外科頸骨折で誤っているのはどれか。
選択肢
1 高齢者に好発する。
2 肩部の腫脹は軽度である。
3 腋窩神経損傷の合併がある。
4 介達外力によるものが多い。
解答
正解2(肩部の腫脹は軽度である。)
解説

外科頸は関節包直下の海綿骨に富む部位で、折れると出血が多く、腫脹は高度になる。

外科頸は上腕骨骨頭の直下、大結節・小結節より遠位のくびれである。骨粗鬆症のある高齢者が転倒して手や肘をつくと、その力が上腕骨を伝わって(介達外力)この部位に集中し骨折する。海綿骨が豊富で栄養血管も多いため出血量が多く、出血は重力に従って上腕内側から前胸部・側胸部へ降り、数日後に広範な皮下出血斑として現れる。外科頸の内側後方を腋窩神経が回るため、三角筋の筋力と肩外側の感覚を必ず確認する。

✓ 2. これが誤り(答え)
肩部の腫脹は軽度である。
海綿骨に富む部位で出血量が多く、腫脹は高度になる。上腕内側から前胸部・側胸部へ広がる皮下出血斑も特徴的な所見で、「軽度」という記述は実際と逆になる。
✗ 1. 正しい(答えではない)
高齢者に好発する。
骨粗鬆症で海綿骨の骨梁がもろくなった高齢者が転倒して手や肘をついた際に生じる代表的な骨折で、上腕骨近位端骨折のなかで最も多い。
✗ 3. 正しい(答えではない)
腋窩神経損傷の合併がある。
腋窩神経は外科頸の内側後方を回って三角筋へ向かうため、骨折や骨片の転位で牽引・圧迫を受けやすい。三角筋の筋力低下(外転困難)と肩外側の感覚障害を確認する。
✗ 4. 正しい(答えではない)
介達外力によるものが多い。
転倒して手掌や肘をつき、その力が上腕骨を伝わって外科頸に集中することで発生する。直達外力によるものは少ない。
ポイント
  • 外科頸=骨頭直下、大結節・小結節より遠位。海綿骨に富む
  • 高齢者が転倒して手・肘をつく介達外力で発生し、近位端骨折で最多
  • 出血が多く腫脹は高度。皮下出血斑は上腕内側から前胸部・側胸部へ広がる
  • 外転型と内転型があり、外転型が多い
  • 合併症:腋窩神経損傷、腋窩動脈損傷、肩関節拘縮
比較表
項目解剖頸骨折外科頸骨折
部位骨頭と大・小結節の間結節部より遠位のくびれ
頻度まれ多い(高齢者に好発)
血行骨頭の血行が絶たれやすい血行は保たれる
主な合併症骨頭の阻血性壊死腋窩神経・腋窩動脈損傷
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